鹿大医学部島嶼・地域ナース育成センター

お年寄りとコミュニケーションを図る実習生ら=知名町=

実習生14人来島 知名町瀬利覚でスタート
在宅ケアの人材育成

【沖永良部】鹿児島大学医学部島嶼・地域ナース育成センター「地域での暮らしを最期まで支える人材養成」プログラムの看護実習が5日、知名町瀬利覚集落で始まった。履修生14人(学部生2人、看護師12人)が来島。高齢者宅や精神障がい者サロンを訪問し、在宅ケアにおける地域コミュニティの重要性を学ぶ。実習期間は8日まで。

同センターは、地域の医療・ケアを担う人材の育成を目的に2年前に設立。価値観や生活様式など多様な文化を体験できるフィールドとして、離島での実習を毎年行っている。

この日は、瀬利覚集落老人会のメンバーとオリエンテーションを実施。集落での取り組みをDVDで視聴後、折り紙やキーホルダー作りなどを楽しみながらコミュニケーションを図った。

また、神奈川県横浜市の(株)アーチャレジー代表取締役社長で視覚障がい(視力・左目0・03、右目0)を持つ安藤将大さん(22)が、障がい者との接し方について講演。安藤さんは「障がい者にもいろいろな人がいて、その人によって手伝いの仕方も違う。見かけた時に『何かしましょうか』と声をかけてくれるとうれしい」と語った。

実習に参加した看護師の里恵理子さん(33)は「住民同士のつながりが濃く、自分たちで地域の課題を見つけ、解決しようとする姿勢がこの集落にはある。医療や介護保険では届かない部分を、地域でどのように支えていくのかを考えたい」と話した。