「ようやく漁が再開」

シビやカツオの刺身が並ぶ専門店

連続台風で不出漁長引く
シビ販売、買い物客にぎわう

6日沖縄・宮古島の北で発生した台風13号は、7日未明には奄美地方全域を強風域に巻き込みながら通過。その後、台風は九州・四国地方に向かったことで、奄美群島内の各漁協では、台風対策で陸揚げしていた漁船の下ろし作業や係留ロープの取り外しに取り掛かる光景が見られた。不出漁が長引くなか、奄美の多くの漁業者は「ようやく漁に出ることができる」と安堵する声が広がっている。

気象庁によると、7月3日に発生した1号以降、日本への台風接近数は3(1、5、6号)。上陸数は5(7、9~13号)。

奄美地方に関してみると、8月中旬以降、通過・接近した台風は10、12、13号の三つ。非常に強い勢力を維持し1週間近く太平洋上を移動した10号、強い勢力の12号が連続して奄美に接近したため周辺は高波が続き、不出漁が続いたことで、群島内のスーパーや販売店では鮮魚の提供量が減少していた。

漁協関係者によると、漁業者の多くは、8~9日に出漁。10日の水揚げを見込んでいるという。その一方、漁業者の一人は「海水温が高いので、例年より台風発生に予想がつかない。10月の台風シーズンはどうなるか」と今後の不安を口にした。

日帰り操業でカツオやキハダを漁獲する奄美市名瀬の宝勢丸鰹漁業生産組合は、12号と13号接近の合間を縫って出漁。店頭には久しぶりにカツオやシビ(キハダ)の刺身が並び、買い物客でにぎわっている。

同組合の徳田謙治さんは「刺身を提供できる態勢が整いつつある。計画から遅れた分の漁獲を取り戻したい」と語った。