奄高家政科 文京学院大生と合同学習会

大島紬の振興をテーマに話し合うゼミの学生や高校生

「大島紬の振興テーマに」
周知ツールのためのアイデア創作

文京学院大学(キャンパス・東京都文京区など)経営学部の馬渡一浩教授ゼミの学生と奄美高校家政科2年が20日、同ゼミが研究テーマにしている「大島紬の振興」について、奄美市名瀬の同高校で合同学習会を行った。情報を視覚的に表現する「インフォグラフィック」を活用した大島紬の周知ツールのためのアイデア創作を通じて、生産不振などさまざまな問題を抱える大島紬の現状をどう改善していくか考えた。

同ゼミは2013年度から大島紬の振興や奄美大島のブランド作りをテーマに研究しており、年1回、奄美を訪れている。研究には同市名瀬の大島紬製造卸会社・はじめ商事も協力。合同学習会には馬渡教授のほか、ゼミ生7人、同科生徒32人が参加した。

同科生徒が、▽小物作り▽着付け▽衣装作り▽ファッションショー―など、これまで大島紬を通じて体験した活動を紹介。「郷土への愛情が増し、文化をつないでいく重要性がわかった」と体験の感想を話した。

ゼミ生は3年前に約2500人に実施したアンケートの結果を示し、60代のほとんどが西陣織、大島紬両方を知っていたのに対し、20代は西陣織より大島紬を知っている人が少ないことを紹介。

大島紬は▽認知の低下▽高価格▽需要の低迷▽生産者の高齢化―が現状あり、▽現状に見合った価格の提示▽後継者育成のための条件設備▽認知の拡大―が課題だと説明。若年層への認知拡大を図るための取り組みが必要などとした。

馬渡教授はインフォグラフィック創作にあたり、大島紬の問題について、「関係者だけでなくその周囲に知ってもらうことも大事」、「みんなで問題意識を持つことで問題解消への突破口を見つけやすくなる」と説明。

ゼミ生と同科生徒が▽いい情報として大島紬の特徴▽よくない情報として大島紬の現状▽振興に向けた取り組み―の三つを盛り込んだ大島紬のインフォグラフィックのためのアイデア創作を行った。

同科2年の重野友海さんは「大島紬を知らない人は多いと思う。自分もあまり知らないので詳しく知りたくなった」。ゼミ生の一人は「地元の高校生は大島紬について私たちとは違う思いや知っていることがあると思うので広めてほしい」と話した。

同ゼミは来月15、16日、同大学本郷キャンパスで大島紬の試着会を開くという。