秋高校野球

【2回戦・志学館―古仁屋】会心の勝利で秋5年ぶりの校歌を歌う古仁屋ナイン=姶良

秋高校野球第3日

古仁屋 5年ぶり秋1勝
志学館にコールド勝ち

【鹿児島】第139回九州地区高校野球大会鹿児島県予選第3日は24日、鹿児島市の県立鴨池、鴨池市民、姶良市の姶良、3球場で2回戦8試合があった。
奄美勢は、古仁屋が11―1で志学館に五回コールド勝ちし、九州大会予選としては11年秋以来5年ぶりの勝利を挙げた。
第4日は25日、3球場で2回戦8試合がある。奄美勢は奄美が隼人工と、喜界が曽於とそれぞれ対戦する。

「素人でもやれる」証明 「大吾のために」でチーム一丸
古仁屋

【2回戦・古仁屋―志学館】3回表古仁屋二死二塁、6番・吉の右前適時打で二走・山畑が生還、3点目を挙げる=姶良

秋高校野球ハイライト

古仁屋の県大会勝利は、九州大会予選で5年ぶり、夏も合わせれば13年にベスト16して以来3年ぶり。竹山英輔監督は「長かった」と第一声を発し「高校から野球を始めた素人集団でも、県大会で勝てることを示せて良かった」と感極まった。
初回、二回と好機を作りながらも得点ならず。「緊張していたのでリラックス」(竹山監督)を指示した三回に3点を先取すると一気に波に乗った。四回は相手のミスも絡んで打者11人を送り、大量6点を奪って一気に大勢を決めた。6点目の右翼線二塁打を放った3番・中江好輝主将は「自分の力じゃない。みんなが『リラックス』と声を掛けてくれたおかげで打てた」と仲間に感謝する。
大会前の練習試合では、初めて奄美に勝つなど調子を上げていたが、出発前に思わぬアクシデントに見舞われた。2年生で唯一の中学時代野球経験者・長瀬大吾が急性胃腸炎で入院。残り10人で急きょ守備位置を入れ替えて臨んだ県大会だったが「大吾を県大会に出すために、みんなで協力して県大会を勝ち上がろう」(中江主将)と一丸となった。
長瀬を除けば、中学時代の経験者は1年生の4人のみ。中江主将は中学時代バドミントン部だったが、3年前のベスト16で全校応援があったことに心揺さぶられ、高校では野球部に入った。初めて歌った校歌は「うまく歌えないものですね」と苦笑する。3回戦はシード鹿児島工が相手だが「全力でぶつかっていく」と闘志を燃やしていた。
(政純一郎)

秋高校野球戦評

【評】古仁屋は三回、二死三塁から2つのエラーで2点を挙げ、6番・吉の右前適時打で計3点を先取した。四回には先頭の8番・上原の左越え三塁打を皮切りに、打者11人で4安打、相手のミスも絡んで大量6点を奪って主導権を握った。先発した1年生エース宮之原は被安打3、5奪三振、1失点と好投。最後は5番・山畑の中前適時打で10点差がつき、1時間12分のスピードゲームでコールド勝ちした。