クラシックギター特別授業

課題曲ハッピーバースデーに挑戦

講師をつとめた大野さん(中央)と、授業を受けた生徒7人

修繕し活用 大野さん講師に挑戦 音色など魅力楽しむ
奄美市笠利中の1年生

奄美市の笠利中学校(曽木與英校長、生徒29人)で9月28日、クラシックギターを弾く特別授業が開かれた。同市名瀬で楽器店を営む大野正喜さんが講師を務めた。1年生の生徒7人は、修繕されたギターを手にし、基本的なコードとメロディーを習うと、課題曲「ハッピーバースデー」の演奏にも挑戦。ギターの奏でる音色など、その魅力を楽しんだ。

3年生の熊本翔君が昨年、大野さんのお店「喜喜ランド」で3日間の就業体験をしたことが今回の授業のきっかけになった。熊本君は小学6年生の頃から楽器に興味を持ち、現在マイギターも所有する。ギターが好きで、弾きながら歌うことができる生徒などの影響も受け、ギターに関心を持つ生徒は他にも多くいるという。そんな中、校内にしばらく使われずに眠っていたクラシックギターの活用も含め、大野さんによる特別授業が提案された。

授業では、まず1限目に和音の仕組みが解説され、課題曲に出てくるC、D、Gの3種のコード弾きを練習。2限目には、曲のメロディーを習った。「三味線を弾ける生徒がいたり、親などギターが弾ける家族も周りにいて、日頃から楽器に親しんでいるよう」。音楽の担当教諭が話すように、ほとんどの生徒がそれほど苦慮することなく、弦を押さえて、はっきりした音を鳴らした。同教諭は「生徒の中にはギターを弾き始めたことが、三味線への関心にもつながり、良い機会になった」と授業の開催を喜んだ。

大野さんへの質問の時間も持たれ、▽ギターを始めたのはいつ?▽どうしたらうまく弾けるのか?―などの問いに、大野さんは「皆さんと同じ年代、中学1年生の時に友達の影響で始めた。親に怒られるまで練習していた。自分の歌いたい曲を決め、その練習に励み、1曲1曲増やしていくごとに、いろんなコードが弾けるようになる。そうすれば上達も早い。練習の時は、できるだけ大きな音を出して弾いて欲しい」などアドバイス。授業を終えた、生徒たちからは笑顔がこぼれていた。

三味線も弾くという肥後悠希菜さんは「指使いが難しかったが(三味線と)似てるところがあり、楽しくできた。次はベートーベンの『喜びの歌』を弾けるようになりたい」。濵崎圭吾君は「授業を楽しみにしていた。薬指で弦を押さえるのに苦労したが、徐々にできるようになってうれしかった」と感想を話した。