住用町内で講演し、農林漁家体験民宿のメリットなど紹介した東川さん
かごしまグリーンツーリズム協議会研究員で、NPO法人まちづくり地域フォーラムかごしま探検会代表理事の東川隆太郎さんによる講演会が5日と6日の両日、奄美市住用町内の各会場で開催された。「グリーン・ツーリズムで都市と農村の交流を」と題し講演した東川さんは「みなさんが普段やっていることが、実はそのまま観光客へのおもてなしにつながる」などと語り、地域における農林漁家体験民宿の取り組みなどをすすめた。
東川さんは①農業や漁業、林業体験②料理体験③加工品づくり④食や地域の産業史の話⑤里山や海岸での観察会⑥アウトドア・マリンスポーツ―などグリーン・ツーリズムの範囲を説明。
「島でのみなさんの普段の暮らしが都会から訪れた人にとっては珍しく、楽しかったりする。みなさんの日常がいろんな人の心を捉える時代」と今後、より一層グリーン・ツーリズムが求められる時代になるとの認識を紹介した上で、宿泊環境が十分でない地域でも宿泊滞在が可能になる「農林漁業体験民宿」の取り組みを提唱した。
東川さんは県内他地域での事例や、必要な許可申請の手続きなども説明し、「農家民宿は今まで観光に携わって来なかった人、おそらくここにいる全てのみなさんに始めることが出来ると思う。今までの観光では味わえなかった奄美の魅力、地域の魅力を伝えることが出来る」などと話した。
講演は県大島支庁の地域振興推進事業を活用し、奄美市が行う「五感で感じる自然遺産体験事業」の一環。2018年夏の世界自然遺産登録も見据え、住用町内における宿泊地確保や地域の魅力発信などを目的に、農林漁家体験民宿の取り組みに対する、地域での機運を高める狙いで開催。市では、住民協力のもと17年度から住用町内の数カ所で農林漁家体験民宿の取り組みを実際にスタートさせたい考え。