県よろず支援拠点

制度活用を呼びかける「県よろず支援拠点」の加藤さん

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制度活用で集客改善 名瀬商店街の店舗で実施
来店者の動線、ディスプレイなど工夫

(公財)かごしま産業支援センターは現在、中小企業や小規模事業者を支援する「県よろず支援拠点」を設け、県内の商業施設などを対象に店舗経営に関する相談を受け付けている。奄美では、奄美市名瀬市街地の店舗で費用負担なく一工夫による集客改善策をアドバイス。事業者に制度の活用を呼びかけている。

「県よろず支援拠点」では、創業や売上拡大など経営上の悩みに対し、コーディネーター役が店舗ごとに検証し改善策を提案。これまで、県内の小売店やホテルフロアなど12施設で店内のレイアウト変更などを実施。各店の売上げ向上につなげた実績を掲げている。

そのうち奄美では、名瀬中心市街地の服飾のセレクトショップなど3店舗で実施。「TORTUGA(トルトゥーガ)」(久博幸代表)では、中高年男性向けのファッションをアピールするため、上下服をまとめたセット物を壁一面に展示。20~30歳代の女性服を扱う「MIOIM(ミオイム)」(松元みずほ代表)では、マネキンの向きやショーウィンドウのレイアウト、入り口で商品アイテムが把握できるよう配置した。

開店して9年目を迎えるという久代表は「お客目線の動線、ターゲット層に訴えていく改善ポイントに感心した」。松元さんは「店舗がアーケード街にあるので、ショーウィンドウの重要性を学んだ」とアドバイスを受け止めている。

そのほか、同市郊外のエステサロンで、外壁デザインを変更し集客効果を狙った事例も。
この改善指導は、中小企業庁の企業支援制度の一環。同センターがコンサルタント事業の委託を受けたもので、コーディネーターが現地視察後、商品配置の移動、入れ替えなど基本的には経費のかからない助言が主体となる。

今回担当したチーフコーディネーターの加藤剛さんは、2店舗とも来店者が店内を巡回しやすいレイアウトを重視。さらに店のイメージが伝わりやすい商品配置も心掛けた。現在、市内複数の店舗で相談を受けているという。

奄美大島商工会議所で月1回相談会を開催している加藤さんは「周知不足もあり制度活用数が伸び悩んでいる。商店街活性化のためにもぜひ相談してほしい」と話した。

問い合わせはTEL0997―52―6111(奄美大島商工会議所)まで。