大島紬ブランド再構築へ

NYマーケティング調査報告などを行ったJAPANブランド育成支援事業の事業者会議

NYマーケティング調査報告も
JAPANブランド育成支援

奄美大島商工会議所は11日、同所でふるさと名物応援事業補助金(JAPANブランド育成支援事業)の事業者会議を開いた。米・ニューヨークでのマーケティング調査の報告があり、海外進出で有用な商品の方向性や見せ方などについて意見を交わした。同所では同事業を通じ、大島紬のブランド再構築、販路拡大などを目指す方針だ。

同事業は複数の中小企業が協働し、自らの持つ素材や技術などの強みを踏まえた戦略策定支援、商品開発、海外展示会出展などの取り組みに対する支援を行うもの。同所を事業主体に、同市と龍郷町内の紬関連事業者など11団体で委員会を構成。大島紬の再生を目指し、米国をはじめ、フランスやインドネシアなど感度の高い市場で中長期的なブランド確立(再構築)、販路開拓・拡大を目的に事業を展開する。

今年度は①専門家による指導、助言分析②試作品開発③ニューヨークでのマーケティング調査④自主メディアの構築・運用⑤三越伊勢丹で展示企画・イベント実施―を柱に事業を行う。

ニューヨークでのマーケティング調査については、㈱夢おりの郷の南晋吾さんが報告した。5日間の日程で高級百貨店や美術館、染め工房などを見学し、販売品の料金設定や種類を確認するとともに、関係者へ大島紬をPR。関係者からは「商品は見た目のインパクトが必要」「洋服よりもインテリアやアートの方が向いている」などの助言があったとした。

南さんは「いい評価をいただいたが、着物の形では通用しないとも言われた。歴史的背景やストーリーを表現できれば、美術品・芸術品としての形や泥染めなどの工程をきっかけに裾野を広げることが大事」とし、「一般的な商品だけではなく、超富裕層に訴える商品開発やマーケティングを行うことも面白いと感じた。事業のゴールをどのように設定するかが重要だ」と話した。

また同所では、事業計画の一つである三越伊勢丹の企画展「JAPAN SENSES」に出展予定。