リュウキュウアユ産卵地作り

流れの速い川の中に入り、川底にたまった赤土をクワなどできれいに洗い流す子どもたち

産卵シーズン前に
役勝川で住用小児童

奄美市住用町の住用小学校(宮司和弘校長、児童16人)の2~4年生9人は18日、学校側の役勝川で「リュウキュウアユの産卵地整地作業」を行った。11月中旬~下旬頃から産卵を始める奄美大島だけに生息するリュウキュウアユ。今年も無事に産卵できるよう、児童らが冷たい川の中に入り、川底にたまった赤土などを洗い流した。

同校では毎年、PTA活動などで産卵地の整地作業を行っている。今年は総合的な学習の時間を活用し、奄美リュウキュウアユ保全研究会(四宮明彦会長)の米沢俊彦さんの指導を受けながら作業に臨んだ。

この日は最初にリュウキュウアユについて米沢さんが説明。リュウキュウアユの産卵地は水深が浅く、流れの速い瀬で、水温が20度以下になる11月中旬から下旬頃に産卵を始めるとし、「毎年個体数の調査をしているが、昨年は約8万匹と過去最多となった。ただし、増減の変動は激しいので、今年はどうなるか分からない。川の水がなくなる渇水や、赤土、温暖化など、減少する原因は様々」などと語った。

産卵地の整地作業はクワやスコップなどを使い、川の底にたまった赤土を洗い流したり、産卵しやすいよう砂利を柔らかく耕すことが目的。作業には児童のほか、保護者や教職員、同河川工事中の作業員らも参加。水も冷たく、流れの速い川の中での作業に苦戦しながらも、懸命に作業する姿が見られた。

新冨明音さん(4年)と潤井あいさん(同)は「リュウキュウアユのことをたくさん知ることが出来てよかった」「産卵地の整地作業はあまり出来ない体験なので、出来て良かった。たくさん卵を産んでほしい」などと話した。

作業を終えた児童らに米沢さんは「みなさんがこうして整地してくれた結果は、今年どれくらいリュウキュウアユが産卵してくれるかでわかるはず。また調査に来るので、結果が分かった時には報告する」と笑顔で呼びかけた。