「鹿児島弁も島口も大切」

「劇団かごっま弁」一行との創作劇共演、方言交流も=15日、徳之島町諸田公民館

劇団「かごっま弁」
徳之島町 学士村塾生と交流

 
【徳之島】鹿児島弁(方言)伝承の啓発活動に取り組むNPO法人残したいかごっま弁(日置市)の有志でつくる「劇団かごっま弁」(池上優子代表)と、徳之島町学士村塾・神嶺教室(中野利美塾長、塾生28人)の青少年らとの交流会が15日、同町諸田公民館であった。双方の方言単語のクイズ、創作劇共演、島唄演奏など交流を通して互いの文化の良さにふれた。

劇団「かごっま弁」は昨年の与論島を皮切りに、離島との交流ボランティアも開始。徳之島交流会は、徳之島町教育委員会運営の自学自習のための学士村塾・神嶺教室の中野塾長との絆もあって実現、団員7人が手弁当で来島した。会場には塾生ら児童生徒や保護者、地域住民など約80人が訪れた。

池上団長(66)は「最近は、美しい本物の鹿児島弁を使える人も減った。こちらでは美しい島唄を聴いて感動。かごっま弁も島口も、どちらも素晴らしい文化です」と保存伝承をアピールした。

鹿児島弁による手作りの紙芝居やカルタ遊び、創作劇「西郷(せご)どんと馬」、地元のちびっ子らも直前練習で共演した「でこん太郎」の熱演などで楽しませた。

単語クイズの鹿児島弁「よんごひんご」(曲がりくねり)や「じょじょん」(すごく・とっても)、「おんじょんぼ」(夫婦)などはちびっ子らには難解。一方で島口の「きゅらむん」(美人)や「きゅううがめら」(こんにちは)にも、「ガメラ、怪獣のこと?」と首を傾げる子も。楽しい交流会の傍らでは、消滅危機に瀕する方言文化の現状を如実に示した。

三味線・島唄演奏では、島唄夕凪会「治井三味教室」(治井春代代表)のちびっ子ら10人が、徳之島の子守歌『ねんねがせ』などを元気いっぱいに披露した。

中野塾長は塾生たちに「これを機会に島口に関心を持ち、島口の良さを伝えてほしい」と呼び掛けた。