徳之島ダム 畑かん効果期待

農業関係機関・団体、生産者代表らが計11テーマで発表し、情報を共有=20日、天城町

営農技術・経営研修11テーマで情報共有
徳之島
【徳之島】徳之島地区の2016年度営農技術・経営研修会(徳之島地域総合営農推進本部、同島農業改良普及事業協議主催)が20日、天城町役場であった。関係機関・生産者代表が「徳之島ダム」通水を利用した畑かん営農効果の実証や同先進地(南薩地区)事例なども交え計11のテーマで発表。新技術による単収向上、経営改善に向け情報の共有を図った。

島内の担い手農家や関係機関・団体の代表など約200人が参加した。発表題は、▽農業生産関する技術・栽培・取り組み事例で、①バイオリサによるゴマダラカミキリの根絶に向けて(津田勝男鹿児島大学教授)②ミカンコミバエ根絶に向けた取り組み(徳之島町)③春かぼちゃ早生品種を用いた4月収穫の検討(伊仙町実証農家)④飼料用トウモロコシの栽培(伊仙町)⑤さとうきび新奨励品種「Ni27」の生育と特性(県農業開発総合センター徳之島支場)。

▽畑かん営農に係る技術・先進地事例・各種情報分野では、①生き生き徳之島畑かん営農に期待~さとうきび水利用効果の取り組み(元南薩畑かん事務所職員)②さとうきび水利用効果の取り組み(伊仙町畑かんマイスター)③さとうきびの調査結果から分かる水利用効果(県徳之島事務所農業普及課)④畑かん事業の進捗状況(国営農業水利事業所)⑤同進捗状況(県徳之島事務所農村整備課)⑥水利用組合設立・散水状況(徳之島用水土地改良区)―について報告した。

「春かぼちゃのかん水効果」で太田淳一さん(伊仙町阿権)は、畑かん導入によって省力化し収量も45%増加したことや、本土産端境期1~5月出荷の有利販売なども強調。課題には「さらなる単収向上と産地の規模拡大、地力向上、地域リーダーの経営管理能力の向上」などを挙げた。

元南薩畑かん事務所職員の中木場修さんは「今まで確認した畑かんの10の効果」も解説。雨待ち農業からの脱却、活気ある徳之島畑かん営農の展開に向けては「農業ビジョンの早期達成。畑かん営農振興会・水利用組合・土地改良区の密な連携。3年か5年ごとの畑かん営農の検証と課題解決」などの大切さも強調していた。