親子見学バスツアー

親子バスツアーに参加した子どもたち

馬場さんがオヒルギ、メヒルギ、サキシマスオウノキの枝を使って説明する場面も

マングローブの環境や河川工事学ぶ
講座や探検、工事現場見学

「はげ!たまがりじゃ!親子見学バスツアー」(一般社団法人県建設業協会、県大島支庁主催)が22日、奄美市住用町の黒潮の森マングローブパークで行われた。環境講座やマングローブ探検、現在実施されている住用川河川工事現場を見学。15家族36人が参加し、マングローブの自然と工事の在り方や必要性について学んだ。

同ツアーは鹿児島の未来を担う子どもたちに、世界自然遺産登録を目指す奄美の豊かな自然や、自然環境に配慮した川づくりの現場を見学してもらうことで、公共事業に対する理解や建設業を身近に感じてもらうことが目的。主催者の一人である同協会青年部奄美支部副支部長の西龍太郎さんは「6年前に豪雨災害があり、川幅を広げる工事を行っている。マングローブの環境を知りながら、どうやってこの生き物たちを守りながら工事をしているのかを見てほしい。そして、建設業の仕事やものづくりという仕事を楽しそうだと感じてもらえたら」とあいさつした。

講座では国際マングローブ生態系協会理事長で、琉球大学名誉教授の馬場繁幸さんがマングローブ林の仕組みなどについて説明。マングローブ林は▽地球温暖化の原因の一つとなっている二酸化炭素を吸収▽魚がエサを食べたり、大きな魚からの隠れ場所になる▽津波や高波から家や畑を守ってくれる―などの役割があると語った。

マングローブ探検では、潮が満ち始めたタイミングだったこともあり、工事中のところで観察。馬場さんが世界の分布で奄美大島が北限となっているサキシマスオウノキの実やオヒルギ、メヒルギについてそれぞれ説明した。

このほか、オヒルギを使った染色体験や、工事現場での重機体験なども行われた。参加した宮田野乃花さん(伊津部小3年)は「マングローブに行ったときは泥がすごくて大変だったけど、染め物は楽しかった。マングローブの木を切って川を広くする工事をしていることは知らなかったのでびっくりした」と話した。