適切なチーム蘇生学ぶ

心停止患者への蘇生手順を学ぶ受講生ら

専用機器の使用手順など確認
瀬戸内町で大島ICLS

瀬戸内地区医療連絡協議会は3日、瀬戸内町すこやか福祉センターで第28回大島ICLSを開いた。地区内の看護師や理学療法士など12人が参加。シミュレーション実習を繰り返し行い、突然の心停止に対する適切なチームによる蘇生処置を学んだ。

ICLSは医療従事者のための蘇生トレーニング。緊急性の高い疾病のうち、特に突然の心停止に対する最初の10分間の対応と適切なチーム蘇生や手順を習得することを目標としている。消防を含む各医療機関の医師や看護師、救急救命士が講師を担当した。

午前中は心肺蘇生の基礎知識や心電図について座学を行った後、6人1組となり「除細動処置とモニター」「気道管理」のシミュレーション実習を実施した。「除細動」の講義では心電図をモニターし、電気ショック処置など専用機器の使用手順などを確認。「気道管理」では気管挿管の方法に理解を深めた。

午後は現場における症例を想定したシナリオを基に、実技訓練を実施。心停止の症例ごとに的確な処置の手順を確認した。コースディレクターを務めた瀬戸内町立へき地診療所の知念崇医師は、「心肺停止の患者を診る機会はあまり多くない。学習することで、関係者がしっかり対応できるようにするとともに、医療機関の連携により地域における医療の質の向上につながれば」と期待を寄せた。

講習会を受講した大島保養院看護師の時田あやかさん(23)は、「これまで除細動を使う機会はなく、実際に体験してみて周囲のチームワークの重要性を学んだ。職場に戻った時には、同僚などに知識や技術をフィードバックしていきたい」と話した。