旅行商品の造成寄与へ

同協議会で作成した奄美大島観光ツアープランや資料集

産業活性化協
代理店へ無償提供 奄美大島のツアープランなど作成

地域の雇用拡大を目指し活動している奄美産業活性化協議会は4日、奄美市名瀬の県大島支庁で厚生労働省の委託事業で実施している「ビジットAMAMI おもてなし観光ツアー開発事業」の成果発表を行った。同事業で作成した客層別のツアーモデルプランや観光資源資料集、観光地などを撮影した写真などについて説明。担当者は「今後はこれらの資料を大都市圏の旅行代理店へ提供し、奄美大島への旅行商品の造成や観光客の送客に役立てたい」と意気込んでいる。

同協議会は2014年度から3カ年度事業として、同省委託の「実践型地域雇用創造事業」を実施する。合同面接会や就職に向けたパソコンセミナーを展開するほか、観光ツアー開発事業も並行し、交流人口の増加に伴う地域活性化、雇用拡大を目指している。

同協議会は14年度に観光客アンケート調査、15年度に旅行代理店担当者を対象とした観光モニターツアーで得た意見を基に、16年度は「子育て世代向け」、「癒しの女子旅」、「団塊世代向け」など客層別奄美大島観光ツアーモデルプラン12案を作成。加計呂麻島、請島、与路島を含む奄美大島の自然景観や観光施設、産業、食、宿泊などの517カ所の主要観光資源資料集のほか、約170項目・約1480枚の観光写真データが入ったUSBメモリーも合わせて作成した。

同プラン案はそれぞれの地図ルートや移動時間、荒天の場合の代替施設を示すなど、旅行代理店などが使用しやすいよう配慮。プランに記された場所の詳細は資料集とリンクするようページ番号を入れる工夫も加えた。写真データは商品造成や旅行参加者募集を目的に、パンフレットやウェブ上で使用する場合、無料で提供する。

今年度は首都圏の旅行代理店や地元の観光関連団体などへ、プラン案と資料集、写真データのセットを44セット配布しており、今月には大阪、福岡の旅行会社を訪問する予定。プラン案は現在、同協議会ホームページ上(http://amami-sk.com/)で公開。資料集は今後随時掲載を進めていくという。

同協議会の実践支援員の城博哉さんは、「すでに旅行商品が出来上がっているものもある。旅行会社に奄美の資料集や写真を使ってもらい、奄美に観光客が増えることで地域産業の活性につなげていきたい」と述べた。