島口劇「母間騒動千年物語」〝子どもバージョン〟熱演も=4日、徳之島町母間小
【徳之島】徳之島町立母間小学校(福宏人校長、児童数33人)の学習発表会が4日、同体育館であった。先月16日の「母間騒動200周年」記念行事に続き、3年~6年の児童21人が〝子どもバージョン〟の島口劇『母間騒動千年物語』のを熱演。郷土の「スーパーヒーロー」たちの気概に思いをはせつつ、「母間正直」「母間校魂」の継承を誓い合った。
「母間騒動」は1816(文化13)年5月に起きたいわば農民一揆。台風被害・飢饉・疫病流行などの困窮下、島役人の不当に高い供出米(臨時負担米)要求に対し、母間村の本掟(区長)・喜玖山=きくざん=が抗議談判。聞き入れられずに、亀津の代官所に直訴するも「筋違いの訴え」と捕えられて入牢。
激高した母間村の630人余が代官所を襲って喜玖山を救出。喜玖山ら村人15人は翌日夜、鹿児島の藩庁直訴のため、板付け舟で重罪覚悟の決死行で越訴。1人が獄死し大半が島流しとなったと伝えられている歴史的事件。
同200周年記念行事(同実行委員会主催)での島口劇は、保護者・教職員・住民ら一体となった熱演が大好評だった。児童たちも同台本を基に学習発表会に向けて練習を積んだ。
そして保護者や校区住民など多くの参観者を迎えての発表会本番。プロジェクターを通じた絵や字幕で当時の生活の様子も想定しつつ、児童たちは母間村の630人余が一丸となった義憤の行動などを堂々と熱演。称賛の拍手を浴びた。
台本を手掛けた福校長はあいさつで「母間騒動の思い・勇気・正義・きずなを後世に伝える必要が。母間正直・母間校魂で日本、世界へと羽ばたく子どもたちに」。児童の嘉=よしみ=はなさん(6年)は「島口は難しかったが、楽しかった。昔の人はすごいと思った」。200周年記念実行委の赤崎冨士郎会長(75)=母間校区振興会会長=は「母間の歴史を学校教育にも取り入れ、子どもたちに伝える劇にしたことは素晴らしい」と話した。
開会式で学校側は、児童らに郷土芸能「池間棒おどり」「しゅんかね節」踊りを伝承指導している池田増男、栄本豊、中島直人、増田昭、宝野秀嗣、喜多川勝矢、行山武久さんら7人を表彰した。