地元デザイナーと事業者トーク会

地元の食品関連企業とデザイナーによるトーク会。終始、和やかな雰囲気で行われた

相互理解深める場に

地元の食品関連事業者とデザイナーとのトーク会が10日、奄美市名瀬の県大島支庁であった。今年で4年目となった県主催の事業「鹿児島の食とデザイン」のプログラムの一環。事業者と商品の魅力を伝えてくれるデザイナーとの出会いの場を設ける目的で開催。終始、リラックスした雰囲気で進み、互いに仕事や商品への思いを語り合うなど、「良い商品づくり」のためのパートナー関係構築へ、相互理解を深めていた。

奄美大島や徳之島、喜界島から酒造会社をはじめ地元特産品の製造・販売業、農家など16事業者と、群島内のデザイナー・クリエーターら8人が参加。同事業を企画運営する「㈱STUDIO K」代表取締役の中島秋津子さんが司会、「Shall we Design」代表理事の酒井一徳さんがコーディネーターを務めた。

参加者全員の自己紹介の後、グループワークで「自分が好きなデザイン」をテーマに意見交換。また参加したクリエーターが順に、これまでに手掛けた商品なども紹介しながら自身の強みや特徴、仕事への思いなど、対話型のトークで伝えた。

中島さんは「奄美は離島にもかかわらず、地域のことをよく理解しているデザイナーの方がたくさんいる。地域の企業と一緒に商品のデザイン、表現をしてくれる人が多くいるというのは地域にとって心強いこと。ぜひ彼らの力を生かしていただけたら」と呼びかけ。

参加クリエーターの一人、重尚樹さんは「目の前で向き合ってコミュニケーションを取ることで、デザイナーも事業者の方もお互いに持っていたイメージ・先入観がほどけていくのを感じ、とても良い機会でした」。龍郷町・島とうふ屋店長の高野壮史さんは「島豆腐と他の島の良い食材を合わせた創作料理などに無限の可能性を感じ、取り組み・発信していく中で、今後プロのデザイナーの力がどうしても必要と考えセミナーに参加した。『聞くだけでも』と気軽に参加したが、(地元のデザイナーの話を聞いて)とてもいい感触がありました」と語った。

コーディネーター役を務めた酒井さんは「デザイン以前に、互いに人間なので話やすさだったり、フィーリングだったり、事業者とデザイナーとのそうした関係性も、より良い仕事を一緒にしていく上では大切な部分。全員参加型のセミナーを通して、(互いの)理解がより深まったという点で価値があったのでは」と話していた。

会終了後も、それぞれのデザイナーの展示ブース前で、参加者が名刺交換しながら、意見を交わす姿が見られた。