奄美発の西郷像発信へ

奄美西郷塾の第3回講座では、西郷隆盛の子孫・西郷隆子さんを招き、対話型の講演を行った

生涯学習講座「奄美西郷塾」

大河に期待 ひ孫招き対話型講演会
奄美市の生涯学習講座「奄美西郷塾」(安田荘一郎塾長)は9日夜、名瀬公民館で西郷翁と島妻である愛加那の長男・菊次郎のひ孫に当たる西郷隆子さん(46)を招き対話型の講演会を開いた。2018年放送のNHK大河ドラマが「西郷=せご=どん」に決まったのを受け、安田塾長は「奄美で過ごした3年が、敬天愛人という西郷翁の思想の母体となったのではないか。ドラマ化に合わせ、奄美発の西郷像を発信していきたい」と意気込む。

奄美西郷塾は10月に開講し、同日の第3回講座には約15人が出席した。神奈川でヘアーサロン「Aikana」を営む隆子さんは店の屋号をつけるに当たり、祖先である愛加那の墓参りのため12年前に奄美大島へ初来島。以来、愛着が沸き今回を含めて6回来島しているという。

自身がイメージする愛加那像について「芯が強く、優しい感じの女性」と語った隆子さん。大河ドラマに関しては、「愛加那は西郷の島での『愛人』というイメージを持っている人もいるが、そうしたイメージを払拭してくれたら」と期待した。

安田塾長は「林真理子さんの原作は、菊次郎が父との思い出を回想するシーンで始まるが、これは奄美の人にとってうれしいこと。愛加那や島の人たちとの触れ合いが、西郷翁の人間形成に大きな影響を与えたと考えるが、奄美ではこれまであまり研究されてこなかった。今後、いっそう研究を重ねて奄美発の西郷翁、愛加那、菊次郎を発信していく必要がある」などと述べた。