与論が2位で九州へ

2位と健闘した男子の与論=指宿市営陸上競技場

県中学駅伝 男子健闘 小宿8位、朝日11位、和泊12位
女子は亀津の27位が最高

【鹿児島】第65回男子・第29回女子県中学校駅伝大会は11日、指宿市の市営陸上競技場を発着点とする男子(39チーム)6区間20㌔、女子(39チーム)5区間12㌔のコースで健脚が競われた。

8位でゴールする小宿のアンカー美野(左上)、11位の朝日・富川(右上)、12位の和泊・伊口(左下)、27位の亀津・春山(右下)=指宿市営陸上競技場


奄美勢は男子の与論が2位で九州大会(12月3日・熊本)出場を勝ち取った。6区で首位・第一鹿屋と27秒差でタスキを受け取った与論のアンカー長島が猛追。競技場入り口で追いつき、首位に立つなど健闘したが、第一鹿屋に4秒差の1時間5分6秒で2位だった。男子は小宿が8位、朝日が11位、和泊が12位と上位の成績を残す健闘ぶりが光った。女子は亀津の27位が最高成績で、古仁屋が34位、金久が35位、喜界が36位だった。

「自分の走り」できた

与論 地域の応援に感謝

首位に4秒差でゴールする世論のアンカー長島=指宿市営陸上競技場


競技場の取り付け道路を過ぎ、トラックに入る手前で与論のアンカー長島卓広は一瞬、第一鹿屋を抜いた。タスキを受け取った時にあった27秒差の逆転に成功したかと思われたが「抜いた後で腕が上がらなくなった」(長島)。ラストスパートで再び第一鹿屋にかわされ、4秒差で悲願の全国大会への切符は逃したが、川村猛留主将は「地区大会ではできなかった自分たちの走りができた」と自信をもって言い切った。

1区で9位とやや出遅れたが、前夜のミーティングで村永一人監督は「卓広までに20秒差以内でつなげば絶対逆転できる」と力説していた。そのために必要なのが「自分の走り」をすることだ。周囲のどんな状況にも惑わされず、自分の体調と相談し、自分のペースでレースをする。

2区の小野寺はただ1人前回3位のレースを経験している。ここで5人を抜いて4位に上がり、3区・吉井で2位に浮上。4、5区は僅少差で上位が目まぐるしく入れ替わる中で、第一鹿屋が抜け出した。5区を終えた時点で、ほぼ同時にタスキを受け取った後続の与論、田崎に27秒差をつけた。

距離にして約150㍍の差があったが「差は20秒以内」と長島は自らに言い聞かせた。大差にひるむことなく、急いで差を縮めようと焦ることもなく、淡々と自分のペースを刻む。中間点で村永監督の檄を受け、ギアを一段上げ、ゴール直前で首位の背中を脅かすレースができた。

昨年は3位。今年は「優勝して全国」(川村主将)を目標に掲げ、サッカー部7人、野球部2人の3年生9人が、それぞれの部活を引退した夏休み以降から本格的な練習に取り組んだ。選手やその保護者だけでなく「地域の多くの方に応援してもらって、支えられた」(村永監督)。無償でトレーナーを買って出て試合まで帯同してくれた人がいた。差し入れをくれた人も大勢いた。「全国」という夢には届かなかったが「応援してくれた地域の人にも胸の張れる走りをしてくれた」と村永監督は選手の力走をたたえていた。(政純一郎)