笠利町佐仁で火災防ぎょ訓練

消防士、地域の消防団員が合同で火災防ぎょ訓練を行った(奄美市笠利町佐仁)

日頃の心構えも学ぶ
初期消火や放水訓練

9日から始まった「秋の全国火災予防運動」に合わせ、奄美市笠利町の佐仁2区(竹田洋二駐在員)で12日、火災防ぎょ訓練が実施された。大島地区消防組合笠利消防分署の消防士や、佐仁・屋仁地区の消防団員ら約25人のほか、見学を含め地域住民ら約30人が参加。訓練を通して、それぞれの関係機関の役割や火災発生時の一連の対応を確認。火災予防に対する日頃の心構えも学んだ。

訓練は午前9時開始。集落内建物での火災を想定し、地域住民による初期消火活動、笠利消防分署員や地域の消防団員による一斉放水など消火訓練が行われた。また家庭用消火器の適切な取り扱い方法についても理解を深めた。

訓練を終え、同消防分署の三井淳行司令補(58)は「奄美大島の最北端にある佐仁地区は火災発生の際、笠利消防分署から消防士が現場に駆け付けるまで、約10~15分程度時間がかかる。集落内の路地も狭く、車両が進入しづらい場所も多くある」などと防災上の課題を指摘。「地域住民のみなさんも佐仁・屋仁地区の消防団員と協力して火災を予防するとともに、万一発生した際には集落全体で消火に当たるとの意識を持っていただけたら」と講評した。

竹田駐在員は「佐仁は市内でも特に高齢化率の高い地域だが、住民の防災意識は高く、災害に対する協力体制も整っている」「まずは(住家火災を)発生させないことを一番に日頃から注意していきたい」などと話していた。

同消防組合によると、管内の昨年の火災発生件数は34件。今年は10月末現在22件となっており、前年同期比と比べて8件少ない。15日までが「秋の火災予防運動」期間となっている。