「フェリーかけろま」

「フェリーかけろま」新造船竣工式が開かれた

新造船の完成祝う
12月1日運航予定 両頭船方式で乗入れ向上

瀬戸内町古仁屋と加計呂麻島を結ぶ、町営船「フェリーかけろま」(総197㌧)の新造船竣工式が15日、同町古仁屋の「せとうち海の駅」であった。新造船は現行とほぼ同型だが、船首と船尾にスクリューとランプウェイ(斜路)を備えた「両頭船」方式を奄美群島で初めて採用。運航開始は12月1日を予定している。

同町は1994年に就航した現行船の老朽化に伴い、2014年度に新造船整備を決定。今年迎えた町制施行60周年に合わせ、就航計画を進めていた。建造総額は約6億5千万円。予算は同町が8割、国県がそれぞれ1割を負担した。

3代目(初代は1978年就航)となる新造船の特長は、車両が前進のまま乗り入れできる両頭船のほか、トイレのバリアフリー化やシルバー室(15人)とエレベーターの設置など、高齢者への配慮が盛り込まれた。全長約38㍍、旅客定員140人。積載車両最大数は大型バス2台、乗用車4台。

この日、同船車両デッキで行われた竣工式には、鎌田愛人町長、町役場幹部、造船関係者など約80人が出席。神事があり、神職が祝詞を奏上。関係者が玉串を捧げ、参列者全員で安全運航を祈念した後、船内見学や祝賀会も開かれた。

同町商工観光課船舶交通係によると、同町古仁屋港と加計呂麻島(瀬相、生間)を1日7往復する現行船の2015年度乗客数は約13万8千人。LCC就航などで同島への観光客数が増加傾向にあることから、船舶リニューアルによってさらなる乗客増を見込む。

鎌田町長は「加計呂麻島の生活航路としてだけでなく、観光促進を含めた町の発展につながる」と述べ、今後の入り込みに期待感を示した。