尾張さんが徳之島で再捕獲したアサギマダラ=提供写真=
アサギマダラの秋の渡りに合わせて喜界島などを中心に奄美群島で調査を続ける石川県の尾張勝也さん。今年も10月末頃から喜界島を中心に滞在していたが、気まぐれに渡ったという徳之島で15日、「白山(石川県)」の標識が入ったアサギマダラを再捕獲した。石川県でマーキングされたものが徳之島で再捕獲されたのは初記録。尾張さんは「マーキングしたのは自分の知人。まさか白山のものが見つかるとは思わなかった」と話している。
見つかったアサギマダラは10月1日に白山でマーキングされたもので、再捕獲場所は徳之島剥岳周辺。45日間で1197㌔の移動をしたことになる。
尾張さんが徳之島を訪れたのは今回で二度目。4~5年前に一度訪ねたきりだったため、情報(アサギマダラの目撃情報など)もないまま、ほぼ勘を頼りにバイクで林道を走っていたという。1泊2日という短い日程で、見つけた数は20数頭ほど。そのうち2頭が再捕獲で、愛知県と石川県でマーキングされたものだった。
「今年は喜界島も数が少なかったため、気分転換も兼ねて徳之島の様子を見に行ったところだった。徳之島のどこにアサギマダラがいるか知らない状態だったので、この短い滞在期間でまさか白山の標記がある個体を見つけられるとは思わなかった」と尾張さん。再捕獲目指して毎年、南西諸島各地を回っているが、これまで「白山」からやってきた個体を自身で再捕獲できたのは喜界島、奄美大島だけだったという。
尾張さんは「徳之島で見つけたアサギマダラが少なかった中で、白山マークだったのはすごい確率。これまで何度か白山マークを再捕獲しているが、実はまだ自分でマーキングした個体を捕まえたことがない。ぜひ次は自分がマーキングした個体を再捕獲したい」と話した。