目撃情報があった地点などを中心にカメラを設置した=奄美野生生物保護センター提供=
センサーカメラ設置、モニタリング
ペットの適正飼育呼びかけ
名瀬の市道で
大和村の環境省奄美野生生物保護センターは22日、ペットなどで広く一般に飼われているカイウサギ(イエウサギ)とみられる個体が目撃された奄美市名瀬の市道にセンサーカメラを設置した。目撃された地点周辺では、アマミノクロウサギの個体数が回復傾向にある地域といい、同センターでは「感染症など、アマミノクロウサギにどのような影響があるか分からない。広く情報を寄せてほしい」と呼びかけている。
同センターによると、最初にカイウサギとみられる個体の目撃情報が寄せられたのは8月17日。目撃者が同月16日の夜、仲勝林道に続く市道を車で走っていた際、茶色で、アマミノクロウサギよりも一回りほど大きく、耳が長い個体が、車のライトに驚き、逃げる姿を確認。「ライトに驚き、ピョンっと飛び跳ねて逃げた」と話しているという。
同地では数年前にもカイウサギとみられる個体の目撃情報あったり、今回以外にも数件目撃情報が寄せられているため、調査のためセンサーカメラ3台を設置することとなった。今後、モニタリングを続け、もしカイウサギが撮影された場合は、捕獲も予定している。
世界自然遺産登録を目指す奄美では、マングースを始め、ノネコやノヤギなどさまざまな外来種が問題となっている。同センターの岩本千鶴自然保護官は「カイウサギの場合は、アマミノクロウサギが抵抗力を持っていない病原体を持っている可能性がある。外来種として野生化しないためにも、ペットの適正飼育を徹底してほしい。また、もし目撃したという情報があれば、ぜひ知らせてもらいたい」と話した。