奄美大島のシンボル発表

奄美大島の観光資源などを実体験し、観光振興のシンボルを提言したシンポジウム

観光振興の可能性提言
千葉商科大と大島北高

奄美大島で必修科目として、フィールドワークを行う千葉商科大学国際教養学部(宮崎緑学部長)は23日、県立大島北高校と連携した観光シンポジウム「奄美のシンボルを探そう・つくろう」を開いた。島内外の学生らが、内側からみた文化資源と外からみた魅力を比較考察した意見を発表。自然や食文化、地形など五つのシンボルを提案し、奄美大島の観光振興の可能性を提言した。

2015年に開設された同学部は、世界に通用するグローバルな人材育成を目的に、日本を見つめ直すためのフィールドワークとして、一年次の必修科目「国内短期研修」を奄美大島で行っている。今回1年生75人が21日に奄美大島入りし、自然や文化を体感。22日に同校生徒と15班に分かれてワークショップを実施し、23日はその中から5組が発表した。

発表は「ハートロック」「鶏飯」「赤尾木湾」「ルリカケス」「田中一村」のテーマごとに、学生らがプレゼンテーション形式で実施。あまり知られていない奄美の魅力を掘り下げることで、“シンボル化”による観光客増の効果を見据えたほか、フェイスブックなどSNSの活用による情報発信といった、若者視点の提言もあった。

発表後には表彰があり、市長賞に「ハートロック」、奄美大島観光協会長賞に「ルリカケス」、審査員特別賞に「鶏飯」と「田中一村」を発表したグループが選ばれた。

ハートロックについて発表した同大1年の荒谷春成さん(21)は、「ハート型の地形は海がきれいな奄美らしいシンボル。SNSなどを活用して情報発信していきたい」と述べ、田中一村について発表した大島北高校普通科1年の宝金太郎君(15)は、「今回の発表のために、今まで知らないことも学んだ。奄美でしか見ることのできない作品もあるので、多くの人に来島してほしい」と話した。

今回の研修成果は奄美大島の観光振興方策として、県や地元自治体などに提言する予定。