赤土対策協合同パト

谷部の赤土等流出防止として設置された柵工を視察する参加者ら

流出防止対策を視察
宇検村内で住民への普及啓発要望も

環境汚染の原因となる赤土等流出防止を目的とした「赤土等流出防止対策協議会」(会長・鮫島秀久県大島支庁総務企画部長)の2016年度合同パトロール・検討会が2日、宇検村内であった。参加者は村内の農場、林道工事現場の2カ所をパトロールし、流出防止の方策を視察。その後行われた検討会では、建設業や採石業など業者以外の住民などに対し、流出防止に向けた普及啓発へ共通認識を深めた。

合同パトロールには県大島支庁と島内市町村の関係課職員、採石業者など約30人が参加した。

同村湯湾の果樹ほ場では、ソルゴーによる防風対策を視察。ほ場周辺に植樹したアデク、イスノキの成長までのつなぎとしてソルゴーを活用することで、防風対策に加え、土止めなどの効果により間接的に流出防止になることを紹介した。

県道曽津高崎線から、林道宇検中央2号線へ続く林道として、2012年度から開設工事を行っている同村の林道佐念線では、切土完了時ののり面保護として行うポリソイル被覆や、谷側への柵工設置などの流出防止対策を視察。工法や効果、予算などの説明に耳を傾けた。

その後、同村の「生涯学習センター元気の出る館」で行われた検討会では、関係機関が周知活動などを報告。鮫島会長は「赤土等流出防止は奄美の豊かな自然を残すことはもちろん、奄美群島の世界自然遺産登録に向け、地域一体となって取り組まなければいけない課題」とし、関係機関への協力を要請。

活動紹介では工事現場における裸地の解消に向けた対策や、希少野生植物の生息場所の明記による流出防止の徹底指導などを報告。一般住民の開発行為などへの対応や集落内での美化活動時に発生する土砂の管理など、業者以外による流出防止を目的とした広報要請もあった。