推薦書提出前、最後の意見交換

天城町役場ゆいの里ホールで行われた「奄美ワーキンググループ」

奄美WG
具体的内容盛り込み注文
天城町で

 【徳之島】奄美大島、徳之島、沖縄島及び西表島世界自然遺産候補地科学委員会の2016年度奄美ワーキンググループ(WG)(座長・米田健鹿児島大学名誉教授)が4日、天城町役場ゆいの里ホールであった。11月に行われた科学委員会の概要報告や、奄美大島と徳之島各島の地域別行動計画案などを説明。来年2月に予定している推薦書の正式提出前の最後の会議ということもあり、各種取り組みに対してより具体的な内容を盛り込むよう求める声が挙がった。

 環境省那覇自然環境事務所の西田学所長は「推薦書の正式提出に向けた取り組みは加速している。来年2月の推薦書正式提出前に行う最後の会議となるので、活発に議論してほしい」とあいさつ。会議では奄美と沖縄それぞれのWGの設置要綱の改正と、世界自然遺産登録に向けた今後の取り組みの進め方、11月に行われた科学委員会の概要報告、推薦地の包括的管理計画案などについて説明した。

 奄美大島と徳之島の各行動計画案では、両島の共通項目と、個別項目があり、奄美大島ではマングースとノヤギの対策が主な独自項目。ノネコ対策については、すでに捕獲から一時収容、譲渡など一連の活動を進めている徳之島が一歩リードしているとし、「ノネコの数の違いはあるものの、奄美大島でも検討していかなければなれない」などとした。また、徳之島については、生物多様性保全と農業の両立による緩衝機能の強化を目標とした、「遺産地域に近接する農地などの生物多様性保全機能の強化」が独自の行動計画となっている。

 委員等による意見交換では、包括的管理計画案に記された管理の目標に対し、「5年後、10年後の中間評価のための具体的な目標を掲げた方が良い」「奄美大島のマングースや、ノネコについても、根絶の目途や数値目標などを盛り込むべきでは」などと要望。密猟や盗採防止パトロールに対しては、「もっと具体的にパトロールに関わる人数などを盛り込んでも良いのでは」という意見や、「昆虫採取そのものが悪いことのような面が強すぎる。推薦地、緩衝地帯、周辺地域でどのように対応するか考えるべき」などの意見が挙がった。