余多川生き物学習会

島に生息する淡水魚を見比べる児童=知名町=

下平川小児童参加 島の動植物学ぶ
九州農政局沖永良部農業水利事業所

 【沖永良部】余多川生き物学習会(九州農政局沖永良部農業水利事業所主催)が7日、知名町余多川の地下ダム建設現場であった。同町立下平川小学校の3・4年生25人が参加し、島の動植物について学んだ。

 現在建設中の地下ダムや余多川に生息する魚類などを子ども達に知ってもらおうと開催。

 同事業所の職員が地下ダムの建設方法などを説明し「ダムの水を島全体に配り、農業に利用する」「水を上手く使うことで農作物がより生長する」と話した。

 えらぶ郷土研究会の新納忠人さんが島の植物を紹介。絶滅危惧種の淡水魚について琉球大学元准教授の吉野哲夫さんは「キバラヨシノボリは、島では余多川周辺にしかいない」「タイワンキンギョは沖永良部島が最北限の生息地になる」と説明した。

 学習会では、川に生息する淡水魚や甲殻類などの入った簡易プールを準備。子ども達は、グッピー、カダヤシ、ムーンフィッシュの3種類を網で捕まえ比較したほか、オオウナギやアカミミガメなどを観察した。

 同小4年の大山英聖さん(10)は「ダムや島の魚を知ることができた。オオウナギはヌルヌルしていて捕まえられなかった」と話した。

 2021年の事業完了を予定している地下ダム建設は、余多川を横断して止水壁を作るために川を迂回させる工事が現在進められている。