奄美大島観光まちづくりセミナー

地域資源を活用した体験プログラム造成の必要性などを訴えた奄美大島観光まちづくりセミナー

地域資源活用 体験プログラム造成を
ネット活用情報発信アドバイス

 奄美大島観光まちづくりセミナー(一般社団法人 あまみ大島観光物産連盟主催)が7日夜、瀬戸内町役場で始まった。近年の観光情勢の変化や奄美大島の観光体制について担当者が解説。町内の観光関係者など約40人の参加者は自然や文化など、奄美大島の多様性のある地域資源を活用した観光体験プログラムの造成や情報発信の重要性に理解を深めた。

 同セミナーは着地型観光へ地域統一した意識啓発を目的に、国の地方創生交付金を活用し、島内の5市町村連携で実施。同日の瀬戸内町開催を皮切りに、今月中に奄美市など4会場で開く。

 JTBコミュニケーションズ九州の田中徹さんは、「インターネット普及により、個人で情報収集して旅行を手配している人が増えている」として、ネット活用による情報発信をアドバイス。世界自然遺産登録を最短で2年後に控える中、自然と住民、観光客が共存するためのルール作りを指摘する一方、「住民が楽しく豊かに生活していくための方策を考えるのが地方創生の本丸」として、住民視点の地域づくりの必要性も訴えた。

 同連盟の元井庸介さんは、観光行政のワンストップ化などを目的に実施している奄美大島DMOへの取り組みなどを紹介。各地域への誘客を可能にするとともに、「各集落の人が主役」をテーマとした持続可能な奄美大島の観光まちづくりに向け、今年度はマーケティング委員会で観光戦略を策定する方針を明らかにした。

 最後は宇検村観光物産協会観光担当の松枝孝一さんが、「うけん市場」の開設や農業を活用した「あまみシマ博覧会」への体験メニュー提供など、地元資源を活用した観光商品化の取り組みを紹介。観光客の滞在時間延長による、地元への経済効果貢献に意欲を示した。