世界にらんだ大島紬展開に三越伊勢丹協力

 ㈱三越伊勢丹で行われたプレス展示会での「大島紬プロジェクト」(仮)のPRとして参画事業者たちの図案や、反物が紹介された

奄美大島紬の5社挑むJAPANブランド
新しい価値や可能性紹介

 【東京】奄美大島商工会議所はこのほど、2015年度補正ふるさと名物応援事業補助金(JAPANブランド育成支援事業)を申請、採択され、グローバルに展開する百貨店、㈱三越伊勢丹と、奄美大島の5社が手を組み、呉服以外での商品開発によって大島紬の新しい価値や可能性を紹介することになった。

 この事業は、世界三大織物(ゴブラン織、ペルシャ絨毯、大島紬)のひとつ「大島紬」の再生を目指したブランド開発・再生を行い、米国をはじめ、フランス、マレーシア、インドネシアの感度の高いマーケットにおいて中長期的なブランド確立や販路開拓・拡大を目指すもの。

 その一環として来年3月に三越伊勢丹で開催される日本の伝統・文化・美意識が作り出す価値をテーマにしたキャンペーン「JAPAN SENSES」にて展示(一部販売)を行う。この企画開発前に三越伊勢丹ではプレス展示会が12月1日と2日、6日から8日まで行われた。

 企画は伊勢丹新宿本店で来年の3月29日から4月4日まで「大島紬プロジェクト」(仮)として6階催事物場などで行われる予定だ。今回は大島紬そのものだけでなく、泥染めなどの技法も含めて既存の呉服から洋装に合わせるファッションアイテムにまで広げて大島紬の新しい可能性にチャレンジをしていく。

 また、この事業のブランディングを担当する伊藤忠ファッションシステム㈱の三田園子さんは「東京では、若い人たちに大島紬の認知度が低い。本事業では特に参画事業者の若い二代目にご活躍いただき、奄美大島紬の新たな魅力を形にして、ゆくゆくは世界に挑んでいきたい」と意気込む。

 奄美で、新商品に挑むのは、㈱夢織りの郷、㈲前田紬工芸、㈱大島紬村、㈱都成織物、㈲はじめ商事の5社。世界へはばたく挑戦が始まる。どんな作品が登場するのか、今から楽しみだ。