市民後見人養成講座修了式

講座の修了者へ修了証が授与された

成年後見活動担い手期待
基礎・実践講座受講 21人へ修了証授与

 2016年度市民後見推進事業「奄美市市民後見人養成講座」(奄美市主催、NPO法人あまみ成年後見センター運営)の修了式が10日、同市名瀬の奄美病院デイケア棟であった。基礎編、実践編の約50時間の講座を受講した21人へ、同センターの勝村克彦理事長から修了証を授与。未来の成年後見活動の担い手として期待を寄せた。

 同制度は00年の民法改正で創設。認知症や精神、知的障がいなどで物事の正常な判断が困難な人に対し、家庭裁判所から認定を受けた人物・団体が、金銭契約など一定の行為を代理で行う権利を与えるもの。市民後見人は弁護士や社会福祉士などが行う「第三者後見人」に分類されるが、奄美では専門職が少ないため、第三者後見人は約2割にとどまっており、今後の利用増を見据えて前年度に続き7月に講座を開講していた。

 講座では市民後見人の知識を習得する座学や申し立て手続きなど実践を学習。講座を終えた受講生からは「後見制度を知らない人も多い。活動を通じて制度を広めていきたい」「講座が終わった今がスタート。誰のための後見なのかを念頭に置いて活動したい」などの感想があった。

 同センターは法人後見を受任し、今講座の修了生が法人後見の支援員として活動することができる。また、講座では同市が取り組む「地域支え合い体制づくり事業」や認知症カフェ、見守り活動など、地域福祉への参加に期待を寄せており、勝村理事長は今後、後見制度の利用が増えるのは確実。これからも勉強を続け、後見活動を実践してほしい」とエールを送った。