8年ぶり大相撲奄美場所

幕内トーナメント決勝で正代と戦う白鵬=奥=
中学生に土俵の外に出され悔しがる里山と、笑う明生=左端=

奄美出身力士に大声援
約2千人酔いしれる

 大相撲奄美場所が15日、奄美市名瀬の名瀬運動公園体育館であった。8年ぶりの開催で、約2千人が横綱の白鵬、鶴竜や、同市笠利町出身の里山ら奄美出身力士の取組に声援を送った。

 この日は公開稽古があり、里山のほか、明生(瀬戸内町出身)、千代皇(与論町出身)ら奄美出身力士が参加。奄美出身力士同士の手合せに沸き、来年1月の初場所で十両に昇進する坂元改め大奄美(龍郷町出身)が横綱の日馬富士に稽古をつけてもらう場面では応援の声が飛んだ。

 力士が地元の子どもたちに稽古をつけるプログラムでは、子どもたちが奄美出身力士らに一人や複数人で勝負を挑み、盛り上がった。

 序二段以上の取組があり、奄美出身力士も参加。幕下の取組では、明生が臥牙丸に寄り切り、里山が豊響に下手投げ、千代皇が石浦に吊り出しでそれぞれ勝ち、取組には大きな声援が送られた。

 白鵬や鶴竜など幕内力士16人が参加したトーナメントでは、準決勝で白鵬が栃ノ心、正代が鶴竜を破って、決勝で対戦。決勝では白鵬が正代に上手投げを決め優勝した。

 明生に稽古をつけてもらった龍瀬小6年の松元羅衣矩君は「とても大きくて力があった。力士を倒せるように力をつけていきたい」と笑顔。瀬戸内町から訪れた川畑晃久さん(65)は「奄美出身力士をたくさん見ることができてよかった。白鵬は威厳や迫力があった」と満足げだった。

 力士と地元のアマチュア選手が対戦する5人抜き勝負、里山がモデルになっての髪結い実演に加え、相撲甚句の披露や、禁じ手を面白おかしく紹介する「初切=しょっきり=」などもあった。白鵬の綱締め実演もあったほか、3横綱が土俵入りを披露した。