「JGAP」ショウガ収穫ピーク

ピークを迎えている「JGAP認証」ショウガの収穫=17日、天城町兼久で 

今期産、天候恵まれ品質良好
徳之島地区の奄美地域生姜研究会

 【徳之島】ショウガの契約栽培に取り組む奄美地域生姜研究会(秋田洋一会長、徳之島地区会員約120人)の会員ほ場では、収穫作業がピークを迎えている。昨年は、食の安全や環境保全に取り組む個人・団体に与えられる「JGAP(ジェイ・ギャップ)認証」を取得。安心・安全・健康面の認証に加え、今期産は台風など気象災害もなく品質ともに良好だという。

 同研究会は2005年7月に発足。地域おこしへの安心安全な国産「中ショウガ」の卸売販売を手掛ける㈱永豊フーズ(本社・岡山県津山市、江見和弘社長)と契約栽培、「黄金=くがね=生姜・奄美の宝」ブランドで出荷し11年目。安心・安全面では12年度に「かごしまの農林水産物認証制度」(K‐GAP)認証を取得。昨年は団体では南西諸島初とみられる「JGAP認証(徳之島地区の亀津・東天城・天城町・伊仙町の4支部)を取得している。

 好天に恵まれた17日、秋田会長(70)=天城町兼久=のショウガほ場(約20㌃)では、応援の家族や親せきなど8人が収穫作業に精を出していた。今期産は「台風被害がなく、夏場は適度な降雨もあり、根茎の発育も品質も良好。10㌃平均単収は例年約2㌧程度だが、今期は倍の約4㌧を予想」と明るい。徳之島地区全体(作付け会員約100人)では約300㌧を見込む。

 同栽培は最盛期の会員数が徳之島地区だけで約500人を誇ったが、大敵の「根茎腐敗病」など病害防除の難しさから断念・転作が相次いだ。秋田会長は「正月前に現金を得られるのがショウガ栽培の魅力でもあるが、病害防除でいかに被害を最小限に食い止めるかが課題」。

 同研究会「営農指導総括・JGAP指導」担当の福岡兵八郎さん(63)=徳之島町=は、20年の東京五輪・パラリンピック会場の食材の安全性などに厳しい国際的「グローバルGAP」基準が求められ国産が不足する可能性も視野に、「その〝各論〟として、JGAP認証のショウガを通じて地域の農業振興に結び付けたい」と話した。

 収穫・出荷は1月まで続く。