名瀬漁協・中央青果で初セリ

年末年始の晴天で豊漁となり、初セリに多くの魚が並んだ名瀬漁協
セリの威勢良い掛け声が市場に響いた名瀬中央青果の初セリ

セリの掛け声 威勢よく

 2017年の初セリが5日朝、奄美市の名瀬漁協(南信一郎組合長)と名瀬中央青果㈱(福山治社長)であった。新年の始まりを祝うとともに、1年の豊漁・豊作と食の安心安全などを祈願し、乾杯した後、初セリがスタート。市場では生産者や小売業者らの新年を告げる、セリの威勢良い掛け声が響き渡った。

天候恵まれ豊漁

 【名瀬漁協】午前6時半から開始式があり、南組合長、朝山毅市長があいさつ。一本締め・乾杯の後、セリが始まった。
 年末年始は天候に恵まれ、なかには大晦日や正月休み返上で漁に出た生産者の努力もあり、この日の水揚げ量は約2・6㌧。例年に増して豊漁となり、幸先の良いスタートとなった。カンパチやキハダマグロ、チビキ(ハマダイ)、シイラ、シビ、レンコダイ、サザエなど様々な種類の水産物がセリにかけられた。

 南組合長は「天候に恵まれ、初セリがこのような水揚げ(豊漁)となったことはうれしく思う。生産者としては地元で消費してもらえることが一番うれしい。今年は国立公園化、その先の自然遺産登録で観光客増が予想されるので、それに伴い地元消費が増え、水産業も活気づいていくことを期待したい」と話した。

 また漁業者の一人は「高級魚と言われるアカマツなどをはじめ、(水揚げの)量があったため需要と供給の関係で年末に比べると、いい値はつかなかった印象」などと語った。

カンキツ豊作に喜び

 【名瀬中央青果】午前8時半からセリを開始。市場にはポンカン、赤ミカン、島バナナ、キャベツ、トマト、ダイコン、ミズナ、ハンダマ、シイタケ、スプレーギクなどが並び、次々と競り落とされた。冬場には珍しいパッションフルーツはキロ当たり「2017円」のご祝儀相場の値がついた。

 セリに先立ちあいさつした福山社長は「市場を取り巻く環境はめまぐるしく変化しているが、それに対応できるよう市場もいろいろと改革を進めていきたい。今月末からは1年間、お預けになっていたタンカンの出荷も始まる。豊作と聞いており、これを機に大きく羽ばたいていただき、奄美の特産品(生産者)、それを扱う流通小売のみなさんの底力を見せていただければ。この1年も健康で頑張りましょう」と呼びかけ。

 朝山市長は「昨年の今頃は特にカンキツ類の生産者・関係者にとって大変不安な時期を迎えていたが、関係者のみなさんの努力によって昨年7月にミカンコミバエ種群の問題が収束、今年はカンキツ類が豊作と聞いており、景気も活性化されると思う。仲買人、生産者のみなさんが今年1年健康で、さらに活躍されることを期待します」と激励した。

 同青果によると、5日の入荷量は野菜が4165・5㌔(うち地場産は76%)、果実が1278・5㌔(同100%)、花きが1405・9㌔(がい算・同68%)だった。ミカンコミバエの影響で昨年ゼロだったポンカンは589㌔で、一昨年の約2・5倍と多かった。