対馬丸記念碑、工事進行中

宇検村の船越海岸に建設されている対馬丸記念碑(昨年末撮影)

宇検村船越海岸で
3月に完成、除幕式も

 太平洋戦争中、米軍潜水艦の攻撃を受けトカラ列島・悪石島沖で沈没した学童疎開船「対馬丸」の犠牲者が漂着した宇検村で、犠牲者のための慰霊碑の建立が行われている。建立は村が計画したもので、犠牲者が漂着した宇検集落・船越=ふのせ=海岸に碑が立つ。3月初旬に工事が完了し、同月19日頃に除幕式が行われる。

 対馬丸は1944年8月、沖縄から長崎に向かっている途中に攻撃を受け沈没。子どもや大人約1500人の犠牲者を出し、犠牲者や生存者が奄美大島などに漂着。同村では遺体の収容や、生存者の看護に村民が奔走。同村には焼内湾に100人以上の犠牲者が流れ着いたとされている。

 村では建立のため、元田信有村長が対馬丸記念館(沖縄県那覇市)を訪れ、生存者や遺族から話を聞くなどしていた。村は建立のため補助金610万円を計上。建設地は敷地面積約91平方㍍となっている。碑の管理は同集落が行う。

 建立に絡み、村では2月中旬から3月末まで同村生涯学習センター・元気の出る館で、対馬丸の企画展を行う。対馬丸記念館から資料を借り展示する。除幕式には遺族らを招待する。

 同集落の川渕昌春区長(64)は「碑が戦争の悲惨さを伝え、戦争はやってはいけないということを感じられるものになってくれたら。子どもたちへの平和教育にも役立てられるといい」と話した。