製糖前にハーベスタ研修

ハーベスタ研修会があり、農作業中の事故防止に向け、機械の保守・点検、適正利用について説明があった

安全対策で事故防止
大島本島さとうきび生産対策本部

 奄美大島島内での本格的な製糖開始を前に6日、奄美市笠利町の市さとうきび受託組合格納庫で、農作業時の安全対策の周知などを目的としたハーベスタ研修会(大島本島さとうきび生産対策本部主催・本部長朝山毅市長)が開かれた。オペレーターや補助員ら約60人が参加し、作業事故の防止策のほか、機械に関する点検・保守管理など安全運転のための適正利用について確認した。

 同研修会は、サトウキビ収穫面積の約9割がハーベスタによる収穫で占められることから、農作業事故の未然防止を目指し、例年開催している。

 農作業事故防止対策について、県農業開発総合センター農業機械担当の白澤繁清氏が講話。2016年県内の農作業中の死亡事故件数(速報値・同年10月現在)は12件で、農業機械による事故は10件だった。

 作業にあたり重大事故になりかけた事例で▽ほ場に入る際に、畦畔=けいはん=が見えにくく、落ちそうになったり、溝にはまって動かなくなった▽組作業者が見えにくく、ひきそうになったことがある―などを紹介。「組作業者は、オペレーターから見える位置で、バックなどの指示を出すこと」と強調した。

 機械メーカー担当者が、ハーベスタの保守点検、安全対策のための適正利用に関し、▽消耗品の交換時期▽カッターの研磨―などについて説明した。

 同市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(有村成生社長・勢幸一所長)から16・17年期の製糖計画について発表があり、今期のサトウキビ生産見込量は2万6千㌧(笠利町=2万4100㌧、龍郷町=1800㌧、同市名瀬地区=100㌧)で、今月10日から製糖を開始し、3月29日の製糖終了を予定している。