「いせん寺子屋」開所

「いせん寺子屋」に参加した受講生たち(開所式)=7日、伊仙町

いせん寺子屋、東大ネットアカデミー
受験対策で「東大ネットアカデミー」(オンライン双方向授業)も

徳之島学・キャリア教育・受験指導
東大生らの双方向授業も
伊仙町

 【徳之島】伊仙町は、「まち・ひと・しごと創生寄付活用事業」などの一環で、児童生徒たちに徳之島学やキャリア教育、受験対策など主体的なアクティブ・ラーニングの場を提供していく「いせん寺子屋」を7日、開所した。初日は小中高生37人が参加。「みんなの知らない徳之島」の講義や、現役東大生らのオンライン双方向授業(東大ネットアカデミー)などをスタートした。

 合計特殊出生率日本一の伊仙町で育った元気な子どもたちが、その能力と可能性をさらに伸ばし、将来的に徳之島、日本、そして世界で活躍できる人材となるよう学習支援していくのが目的。創生寄付金活用事業やふるさと納税の「きばらでぇ伊仙応援寄付金」、地方創生交付金の3事業を活用。初年度(2017年度)事業費は約140万円を見込む。

 受講対象は町内の小学4年~高校3年生(無料)。毎週土曜日(1、3月の第2土曜除く)の午前8時30分~正午の計10回。1回のコースと時間配分は、①徳之島の伝統・文化・自然を学ぶ「徳之島学」、島内外の専門家を招へいしたキャリア教育②有資格者とそれに準ずる講師による補習指導③東大ネットアカデミーによる受験生らネット授業(中高各3年生対象)④その日習ったことの振り返り発表(プレゼンテーション)など。

 「徳之島学」1日目は、地質や地形の基礎など「みんなの知らない徳之島」(講師・奄美群島文化財保護対策協議会副会長の四本延宏氏)と、中高各3年生の受験対策の計3班(別室)に分かれて授業が始まった。徳之島学講師には今後、「丸の内プラチナ大学」を通じ町と交流が発展した中央のIT関連専門家をはじめIターン者の国立大名誉教授、地元研究者らを予定。授業分野も世界自然遺産や島食材、島の言葉(島口)、鳥・虫、海と生物―などと幅広い。

 開所式は町教育委員会大会議室であった。大久保明町長は受講生たちに「島口や歴史文化など島を学ぶことも重要。向学心を持っていろんなことを吸収して欲しい」、直章一郎教育長も「目標達成へ日々の勉強と努力を」と期待。受講生の1人・久保結愛=ゆうみ=さん(犬田布中3年生)は「近づいた高校入試対策で参加。将来の目標は保育士になることです」と話した。

 9割以上参加者には修了証が授与される。途中受講も可。次年度も継続し、専用施設の設置も検討中。問い合わせは同町未来創生課、TEL0997(86)3111。