西郷の謫居地など周辺清掃

西郷の龍郷町での2度目の謫居地だった同町小浜の同跡地を清掃する参加者ら

「地元の観光資源に目向けて」
龍郷町・志塾西郷塾

 龍郷町の公民館講座「志塾西郷塾」(久保明雄塾長)は9日、西郷隆盛の奄美大島での2度目の謫居=たっきょ=地だった龍郷町小浜の同跡地など周辺の清掃活動を行った。来月26日、同塾を実行委とし「西郷隆盛南洲翁上陸記念祭」を同町で初開催するに当たり、西郷の縁の地などをボランティアで清掃。参加者は「上陸記念祭を通し、観光客だけでなく多くの町民にとっても地元の観光資源に目を向ける機会にしてほしい」と期待している。

 同町では来年にNHK大河ドラマ「西郷どん」が放映されるのを受け、これを観光振興や地域活性化につなげるためのプロモーション実行委員会を設立。横断幕や記念グッズの制作、講演・イベント開催などプロモーション活動を計画しており、上陸記念祭も事業の一環。

 西郷は1859年・旧の正月(新暦の2月)、砂糖積船で龍郷湾阿丹崎湊に上陸との記録がある。上陸記念祭はこの時期に合わせて開催するもの。同町番屋の西郷松跡地で記念式典の後、旧道を通り龍郷集落まで約2㌔の行程をたどりながら、西郷の遺徳を偲ぶという。その後、講演会なども予定している。

 9日の清掃活動には、約15人が参加。番屋の西郷松跡地から記念祭で行進する旧道沿い等のゴミ拾いや、約2年8カ月という奄美大島滞在中における大半の時期を西郷が過ごした同町小浜の謫居地周辺の伐採作業など行った。

 西郷の謫居地では、案内看板や当時から残る石垣などを覆っていた木々、雑草を取り除き見通しを良くした。

 久保塾長は「西郷翁はこの龍郷の地での生活、島の人や愛加那とのかかわりを通じて『敬天愛人』の思想を確かなものとし、明治維新という大仕事を成した。その西郷翁の縁の地、魅力ある観光資源が地元にあることを、多くの人に認識してもらいたい」と話していた。