バニラ・エアの関西直行便就航が決定した(奄美空港を発着するバニラ機)
奄美市を表敬した山室副社長(右から2人目)と芝田取締役(右)とともに、朝山市長(左から2人目)、伊集院会長(左)が会見した
格安航空会社(LCC)バニラ・エア(本社・千葉県成田市)は10日、関西空港と奄美空港を結ぶ、関西直行の新規路線を3月26日から就航すると発表した。同日、山室美緒子取締役副社長とANAホールディングスの関係者が奄美市を表敬し、朝山毅市長(奄美群島広域事務組合管理者)、伊集院幼大島郡町村会長(大和村長)に1日1往復の運航計画を正式に伝えた。山室副社長は「地元の強い要望から路線開設を決定。奄美と関西を結ぶ足を低価格で提供し、出身者だけでなく若い世代の客層を増やしたい」と意欲を語った。
同社はANAホールディングスが出資する唯一の国内LCC。国内線は現在、成田空港から、2014年7月に開設した奄美大島を含め、札幌、沖縄に就航。2月には成田空港から、大阪(関西)と函館の開設が予定され、今回の関西直行便は7路線目となる。
成田線と同型機(エアバスA320―214、乗客数180人)が就航。運航スケジュールは、奄美大島発=午後0時25分(3月26日~4月5日)、大阪発=午後0時25分(同)。片道料金は、コミコミバニラ6780円~。シンプルバニラ4780円~。発売開始は1月12日午後2時から。
同社はこの日、関西直行便の記者発表を大阪、鹿児島、奄美市で同時開催。それぞれ、五島勝也代表取締役社長(大阪)、石井知祥代表取締役会長(鹿児島)、山室副社長が会見に臨んだ。
今回の開設について同社は、▽地元・奄美の強い要望▽関西地区は、奄美に縁のある出身者が首都圏よりも多く在住▽行政サイドの熱心なアプローチ―などを説明。さらに2018年を予定する世界自然遺産登録を見据え、国内外の観光需要に向けた対応を示唆した。
奄美の会見では、芝田浩二取締役(ANAホールディングス上席執行役員)も同席。山室副社長は、2年半前に就航した成田直行便の好調さを振り返り、「地域に貢献する路線として順調に運航することが出来た。引き続き、魅力ある奄美群島に国内外からの利用者を増やし、地域振興に努めたい」と話した。
朝山市長は「今年は関西奄美会が100周年を迎える。時宜を得たタイムリーな今回の就航は人的・経済面で大きな交流発展につながる」、伊集院会長は「関西圏域は奄美の出身者、関係者も多い。これをチャンスととらえ、各離島の受け入れ態勢を整えたい」とそれぞれ期待を寄せた。
同日、新規路線就航記念セールを発表。3月26日~6月22日までの奄美―関西線が片道わくわくバニラ1980円~で購入できるキャンペーンを実施。予約期間は1月12~18日。
そのほか、奄美大島、徳之島の世界自然遺産登録に向けた応援活動として、全路線の機体にロゴシール貼付(4月以降)や各座席にガイド本設置(3月以降)、アマミノクロウサギの保全喚起アナウンス(奄美大島着便のみ、2月から)を行い、機内PRを展開することも明らかにした。