16年ザトウクジラ出現頭数

奄美大島近海に来遊するザトウクジラを見つけるホエールウォッチング=資料写真=

前シーズン119頭増加
ホエールウォッチング利用者増

 今年もザトウクジラの来遊シーズンが始まっている。奄美クジラ・イルカ協会のまとめによると、2016年シーズンの出現頭数は281群446頭で前シーズンより119頭増加。全体的に2月~3月の出現が最も多く、今シーズンは昨年12月20日に初確認。ホエールウォッチングへの参加者も年々増加傾向にあり、今シーズンも週末を中心に予約客が見られるという。

 奄美大島近海ではザトウクジラ出現数に増加傾向が確認されていることから、奄美海洋生物研究会では、奄美大島周辺海域での鯨類モニタリング調査やホエールウォッチング利用者の意向等の把握調査などを行っている。

 昨シーズンの出現頭数を見ると、2月~3月が最も多く、来遊ピークは2月下旬頃。出現位置は、東シナ海側の名瀬湾~大和村にかけての海域が全体の26・1%と多くを占めたものの、皆津崎~徳浜、西古見沖合、小湊~市崎などでも多数確認された。

 16年シーズンはホエールウォッチング(WW)に加え、ホエールスイム(WS)の利用者数も計測。WW利用者は前シーズンよりも102人増加の573人で、全体の利用者数はWWとWS合わせて969人。WSは外洋を泳ぐため、ダイビングのライセンスを持った人限定だったが、利用者数は396人と全体の4割を占めた。

 興克樹会長は「WSまで含めると、前シーズンから約2倍の利用者となっている。WSの方は安全対策もかなり厳しめに設定しているが、需要は高い。16シーズンは団体客が多かったというのも増加の要因の一つではあるが、クジラも年々増えており、WW利用者もどんどん増えるのでは。今シーズンも問い合わせや週末の予約は来ている」と語った。

 現在、奄美大島でWWのツアーを実施する事業所は同協会に所属する8業者。クジラと出会える確率は8割ほどだという。興会長は「クジラを見つけられるように船同士で連携を取りながら取り組んでいる。今シーズンも天候次第だが、1月中にも一度全島調査を行いたい」とした。