徳之島赤土新ばれいしょ「春一番」

かごしまブランド産地指定5年目。「豊作型」の生育ぶりを示している徳之島のばれいしょ=12日、伊仙町喜念で

全般的に「豊作型」推移
28日に出発式・ブラント5周年

 【徳之島】JAあまみ徳之島、天城両事業本部管内の「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』」の生育は、品種構成や栽培環境の差で一部懸念はあるが「順調にいくと豊作が見込める」(徳之事業本部)、「価格安定型で金の取れる年」(天城同)と期待。28日、合同出発式・かごしまブラント産地指定5周年記念大会を天城町で開き、同再指定への不退転の取り組みも決意する。

 昨秋に植え付けられた今期「春一番」のJA共販計画は▽徳之島事業本部が約316㌶の約5800㌧(約12億5千万円)▽天城同が230㌶の約4千㌧(約7億円)=12日現在見込み=。同当初計画から約15%前後の面積追加を希望する生産者も急増したが、結局は、北海道産地の相次ぐ台風・大雨被害(8月)は種いもほ場にも及び、種子の追加発注・確保の頭打ちを余儀なくされた。

 前期は記録的な寒波の襲来(1月24、25日)で共販計画の大幅下方修正を余儀なくされたが、今期産はこれまでのところ「一部ほ場で青枯れ病の発生(平年並み)はあるが、順調に行くと豊作が見込める。エキ病など病害虫防除と防風対策など栽培管理を徹底。品種の主体はニシユタカ。この1カ月間が勝負になる」(徳之島事業本部・本田肇園芸課長)。

 一方、地形的に北西の季節風の影響を受けやすい天城町内は「秋以降の高温多湿傾向や品種構成(デジマ、ニシユタカが半々)なども影響し、一部に青枯れ病や軟腐病が見られるのが懸念材料。価格的には高騰型ではなく、安定した価格が望めると思う。病害虫防除や風対策を徹底して単収を上げれば、今年は金が取れると思う」(天城町事業本部・寿山博畜産園芸課長)と期待する。

 徳之島のばれいしょは2012年5月「かごしまブランド」産地指定を受けて今期が最終の5年目。2期目継続に向けて昨年11月、県に再申請書を提出、来月上旬には同ブランド推進本部の現地審査も予定。両事業本部は「実績や計画から基準はほぼクリアできる見通しだが、今期は共販率の確保が重要になる」と口をそろえる。 

 3町合同の「徳之島地域赤土新ばれいしょ『春一番』出発式・かごしまブランド産地指定5周年記念大会」は、28日午後1時半から天城町防災センターで開かれる。