沖永良部花きシンポ

切り花マーケットの現状と産地が対応すべき課題について話し合ったパネルディスカッション=和泊町=

花き産地振興へ「継続した販促活動」も
「情報交換が大事」

 【沖永良部】2016年度沖永良部地域花きシンポジウムが12日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。生産者やバイヤー、キク種苗会社などの花き関係者約110人が参加。「量販店における切り花マーケットの現状と産地が対応すべき課題」について話し合ったパネルディスカッションでは「(生産者と実需者が)お互いに顔を合わせて情報交換することで、よりよい関係を築くことが大事」「消費者に定着するまでには時間がかかるが、産地をフォーカスしながら継続的に販促活動をすることで産地のファンが付いてくる」などの意見が出た。

 沖永良部に消費地の花き実需者らを招き、生産者とのワークショップを通じて今後の産地振興を図ろうと実施。えらぶゆりブランド産地推進協議会、地域戦略プロ(キク類シェア奪還)コンソーシアム、県園芸振興協議会沖永良部支部が共同開催した。

 シンポジウムでは、キク類の国産シェア奪還やエラブユリの生産・販売促進の取り組み、切り花の鮮度保持技術、スプレーギクの種苗供給体制について担当者が報告。「量販実需者の立場から見た消費の動向と産地への提言」をテーマにテッポウユリの販売状況を説明した㈱メルシーフラワー専務取締役の松本智広氏は「国産が少なく、やむを得ず韓国産を使用しているが、花の当たり外れのリスクが高く、品質に対して問題がある」と指摘した上で「プチホルン(テッポウユリの新品種)の量産などで消費者へアピールすることが必要」と述べた。

 パネルディスカッションは、農研機構野菜花き研究部門の久松完上級研究員をコーディネーターに、松本氏と㈱ファーマインドの松永真理シニアマネージャー、クリザール・ジャパン㈱技術チームの東明音氏、県沖永良部事務所農業普及課の山内徳廣技術専門員の4人がパネラーを務めた。

 沖永良部産スプレーマムについてパネラーは「今後需要が見込める」「高いポテンシャルがある」と評価。プチホルンについては「一輪挿しでカジュアルに楽しめる。お客にとって買いやすいアイテムになるのでは。全国でも沖永良部にしかない点をもっとPRした方が良い」とのアドバイスもあった。