普及活動外部評価会

県沖永良部事務所で取り組むプロジェクトについて意見交換した=和泊町=

4課題で意見交換
プチホルン「期待の品目」
県沖永良部事務所

 【沖永良部】2016年度普及活動外部評価会(県沖永良部事務所主催)が18日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。同所で取り組む4プロジェクトについて意見交換を行い、エラブユリの県育成品種プチホルンに対して評価委員は「生産者が期待している品目。継続的にPRしてほしい」と要請した。

 評価会は毎年1度開催。普及活動計画の課題や対象設定、活動成果などを総合的に検討する。南三町の農家や役場職員ら20人が評価委員を務めた。

 課題発表は▽沖永良部島・与論島のサトウキビ管理作業の補完システムの構築▽畑かん営農ビジョン達成に向けた営農推進▽ブランド品目の商品コンセプトに基づくPR活動と販売体制の整備(バレイショ・エラブユリ)▽自給飼料基盤強化による地域を支え発展する肉用牛担い手の育成―の4項目。担当職員が、問題点や今後の取り組みなどを説明した。

 畑かんの営農推進では、サトイモの安定生産と技術確立の実証結果について、かん水を行ったほ場の方が無かん水のほ場より収量が多く、1個あたりの重さや1株あたりの個数も増加したことを報告。委員からの質問で「(固定式の)散水機が畑の中にあると、ハーベスターやトラクターなどの邪魔になる」「畑が大きくなると、風向きで十分に水がかからない場合がある」などの意見が出た。

 また、近年サトイモの品質悪化の原因となっている「疫病」の対策について担当職員は「登録農薬がなく予防的な対応しかできない。いま国と県、農業試験場で優良種苗の増殖や効果的な薬剤試験などに取り組んでいる。その中で有効な薬剤がある程度見えてきたが、登録などに時間がかかる」と報告した。

 エラブユリの販売促進では、担当者が「実需者の情報が産地へフィードバックされていない」と述べ、実需者との情報共有体制の構築や観光と連動したPRなどを活動方針に掲げた。今年2月には首都圏と関西エリアの大型量販店でエラブユリフェアを開催する予定。