「西郷松」テーブルで残る

西郷松を使って作られたテーブル。観光客が自由に休憩できるようになっている

170118西郷松 (2)
昨年12月に設置された「西郷松跡地」の石碑

龍郷町の跡地、大きさ体感
「西郷どん」きっかけに観光客

 2011年に立ち枯れの診断を受けて撤去となった龍郷町阿丹崎の「西郷松」。昨年12月には「西郷松跡地」の石碑が設置され、NHK大河ドラマ「西郷=せご=どん」の放映が決定後、これまで以上に観光客の姿も見られるようになった。跡地である『西郷松本舗』には、その西郷松の大きさを体感できる木のテーブルが残され、観光客の目を楽しませている。

 西郷松は、西郷隆盛が龍郷へ流刑になった折に、その船のとも綱を結んだといわれるもの。立ち枯れの診断後、しばらくは根の部分だけが残されていたものの、白アリ被害を受ける可能性もあることなどから撤去。現在はこの西郷松を利用して作られた西郷隆盛と愛加那の原寸大木彫りなども町内で展示されている。

 同店の店先に設置されたテーブルは幹を輪切りにしたもの。大きな石の上に置かれ、観光客が自由に休憩できるようになっている。同店の岩﨑晴海さんは「根も残したい思いはあったが、保管する場所などの問題もあり難しかった。ただ、何か形だけでも残せないかとテーブルにした」と振り返る。

 積極的にテーブルをPRしているわけではないが、訪れた人には説明するという岩﨑さん。「西郷どんの名前を出して西郷松について尋ねてくる観光客も増えてきた。今回の大河ドラマは、同じく西郷を扱った1990年の大河ドラマ(翔ぶが如く)のときよりも龍郷町をPRするチャンスになると思っている」と話した。