泥染めで舞台衣装づくり

大島紬の技術を用いた染め作業を体験した

かごしま文化プロジェクト 児童生徒が体験

 「かごしま文化維新プロジェクトACT」の一環で、県・奄美市主催の「泥染めによる舞台美術づくり」体験が22日、龍郷町戸口の肥後染色(肥後英機代表)であった。参加した子どもたちは、衣装や舞台装飾用の布生地を褐色に染める作業に熱中した。

 3月19日、奄美市の奄美文化センターで開くAIフェスティバル・創作舞踊劇「ガジューダ」の舞台素材づくりが目的。この日は町内外から小・中・高生15人が参加した。

 子どもたちは、肥後染色の工場敷地内で泥染め、シャリンバイの煮汁に白色の布生地を浸す作業を体験。生地は線・丸・たたみの3パターンに絞って、染め付け作業に没頭した。1時間後、敷地内で生地を広げ、乾燥。褐色に染まった仕上がりに、「きれい」「うまく出来た」などの声が聞かれた。

 同工場で泥染めを担当する山元隆広さん(41)によると、大島紬の技法を使った舞台衣装の製作は今回が初めて。舞台関係者からから赤褐色の生地を要望されたため、染めの回数を3~4回に設定したという。

 「ガジュータ」の演出・振付・出演を担当する、奄美市地域おこし隊の谷洋子さんは「奄美の伝統や文化がテーマ。住民の協力を得ながら、全国に発信できる舞台にしたい」と意欲を語った。

 染め体験は2年ぶりという朝日小学校5年・富紗妃菜=さきな=さんは「染料に手を付けるので冷たかったけど、生地に色が染まるのを見ると楽しい」と笑顔だった。