天城町総合防災拠点施設の落成式典=4日、同町防災センター
上から防災センター、医療センター、保健センターの外観
【徳之島】天城町が2013年度から進めた同町総合防災拠点施設(防災センター・あまぎユイの里医療センター・保健センター3施設、総事業費約22億5760万円)の落成式典・祝賀会が4日、同防災センターであった。郷友会関係の出身者など含め町内外から約250人が出席。「安心安全なまちづくり」への防災・医療・保健の一体的拠点の実現を祝い合った。
同町は、近年の自然災害多発を踏まえた災害時の避難支援拠点の整備が急務であること。そこに、①町中央公民館の老朽化(改修困難)②町内医療機関の相次ぐ撤退による地域医療への危機感③旧保健センターが狭小で運用に支障を来している―点から12年度に「多目的総合施設対策室」を設置。これら機能を旧中央公民館敷地や町立図書館、ユイの館隣接地(天城)に集約整備することで「総合防災拠点として即応できる防災環境を確保し、安心安全な町の実現を」と13年度に事業着手した。
3施設の規模は、▽「防災センター」=鉄筋コンクリート2階建(延べ床面積2652・4平方㍍)。防災研修室(可動式客席360席)、炊き出し室、妊産婦避難室などを整備。事業費は18億1223万円▽「あまぎユイの里医療センター」=鉄筋工クリート平屋建て(586・3平方㍍)、事業費2億628万6千円。昨年4月開院(指定管理者・医療法人徳洲会)▽「保健センター」=同(533・8平方㍍)、事業費2億3907万8千円。昨年6月から運用開始。
落成式典は今年度の町公民館講座コーラス受講生らの生涯学習成果の発表で開式した。大久幸助町長は「町民のみなさんの安心安全と健康を守る総合的な拠点施設の整備が完了した。周辺の消防組合分遣所、町立図書館、資料館ユイの館との相乗効果も生かし、コミュニケーションの場につながれば更なる効果が」と期待。事業経過報告や金子万寿夫衆院議員ら3氏の祝辞に続き、町奨学資金の基金設立や図書の充実に約1億円を寄付した事業家上原勇一郎氏(同町西阿木名出身)を特別表彰。国土交通省北海道局総務課長の岩下啓希氏が演題「奄美と北海道」で記念講演した。
祝賀会では若手唄者たちの島唄や三島初子さんら関西一行の3B体操、3月11、12両日に島口ミュージカル「結」を公演する中高生ら「結シアター手舞」の舞踊ダンス、シンガーソングライター禎一馬さんのステージなどがあった。