2010年の被災から現在までの復興過程などが並んでいる原野農芸博物館の展示会
豪雨災害からの復興過程を展示
住用町の原野農芸博物館
「博物館のたから探し~奄美に渡った大阪のだんじり~」(だんじりを活かした地域共働事業実行委員会主催)が4日から、奄美市住用町の一般財団法人奄美文化財団「原野農芸博物館」(原野耕三館長)で始まった。展示を通じ、2010年の奄美豪雨災害からの復興・復旧過程や収蔵物の希少性に触れることができる。展示は3月26日まで。
同館は照葉樹林文化地域の暮らしと民具をテーマに、生活用具や祭祀=さいし=儀礼など有形・無形文化を調査収集し、南西諸島文化との比較展示を行ってきた。10年の豪雨災害で被災。地元内外の関係者の支援のほか、京都造形芸術大学の学生らの復旧作業により、6年間かけてだんじりなどが修復された。
会場には、10年の被災から学生らによって修復された所蔵物のほか、同館の保管物と本土のだんじりの比較、大阪府の祭りを再現した8分の1サイズのレプリカも情景模型として展示されている。このほか、同館で昨年3回に渡って開催された「こども学芸員プログラム」の成果も並んでいる。
同大教授で同委員会委員の大野木啓人さんは、「大きな被害を受けながら、ここまで展示することができた。復興のドラマを感じ取ってほしい。様々な展示物があることを知っていただき、子どもたちと博物館とのつながりから、今後教育現場でも生かしてもらえたら」と話した。
開館時間は午前9時から午後5時。入館料は大人200円で、高校生以下は無料。展示は3月26日まで(火、水曜は休館)。