新宿で48年間「奄美料理たかぐら」を営業してきた徳之島町花徳出身の上野捷一店長
「たかぐら」は2月15日頃に閉店が決まり、徳之島出身者が集って送別会を開いた
48年間の奄美居酒屋「たかぐら」今月中旬、閉店へ
徳之島出身の上野オーナー
常連客連日訪れ名残惜しむ
【東京】新宿2丁目にある奄美料理「たかぐら」が2月中旬で48年間の営業にピリオドを打つことになった。オーナーは徳之島町花徳出身の上野捷一=かついち=さん。「これまでも何度もやめようとした」が、ずっとやめられずに年を刻んできた。
一昨年、息子に「富士山につれていけ」とせびり、山頂まで登ったことで「これでいつでもやめられる」と踏ん切りがついたという。それでも昨年は閉め切れず、昨年の8月にようやく大家さんにやめる決意を表した。
徳之島には空き家の実家がまだ残っている。「まだ、元気なうちに家に風を入れないと…」と、今後は徳之島と東京を行ったりきたりする生活にする予定だ。
1968(昭和43)年にオープンして3度目の現在の店舗も20年が過ぎたという。座敷の正面壁には徳之島の有志が作った横断幕が飾られ「上野捷一むぃー48年間おぼらだれん!!東京の徳之島・新宿たかぐら閉店記念 平成29年1月28日」の文字が躍っていた。
上野さんは「年はのせるなよ」と笑顔で言いながら、「閉店を4月にすればよかった。花見してもよかったなあ」と少し後悔の弁も。
店には閉店を知った常連客が連日訪れ、宴会が続いている。自分も結構通ったという練馬区役所の米芳久さんは「東京に来て最初の歓迎会は奄美の先輩たちが、このお店でやってくれました。上野さんのウワンフネの味はこの半世紀変わりません。おいしかったです。7日には七草がゆをいただきました。さよならするために、また飲みにきます」と名残惜しんでいた。