富国製糖 春植え推進出発式

春植え推進に向け気勢を上げる関係者ら

来期以降の増産へ気勢

 奄美市笠利町の富国製糖㈱奄美事業所(勢幸一所長)で6日、サトウキビの2016/17年期の「春植え推進出発式」があった。今期産は前年度を約5500㌧上回る2万6千㌧の達成が見込まれる。出席者した関係者は春植え目標100㌶(奄美市97㌶、龍郷町3㌶)の達成、株出し管理の推進による来期以降のさらなる増産へ気勢を上げた。

 朝山毅奄美市長は「奄美農業の根幹の作物であるサトウキビが、安定して確実な農業であることは、奄美の産業の基礎になり振興のエネルギーの原点。行政として生産者と連携できるような環境づくりに努めていきたい」とあいさつ。

 龍郷町の徳田康光町長、県大島支庁農政普及課の宝正己課長もそれぞれあいさつ。生産量確保に向け、「春植え推進の拡大や作付面積の積み上げをお願いしたい」と激励した。

 今期産の製糖状況(4日現在)は、8911㌧の原料を処理し、進ちょく率は34・3%。平均甘しゃ糖度は前年比0・28度減の14・07度で、8割以上が基準糖度を超えるなど順調に生育。生産者手取り価格(1㌧当たり)も、同254円高い2万2590円となっており、同社の有村成夫社長は「今期は生産の持ち直しと良好な品質の収穫で推移していくと考えており、計画の2万6千㌧はクリアし、若干の増量もあるのでは」と期待を寄せた。

 その一方で有村社長は、「会社としてはこの数量は厳しい状況。原料3万㌧を確保するためにも、春植え推進は来期、再来期原料の確保、単収増への大事な取り組みだ」と強調。「株出し回収が多いほ場の植え替えを推進するとともに、収穫直後の株出し管理、補植の重要性を再認識していただき、単収が上がることを訴えてほしい」と呼びかけた。

 最後はJAあまみ大島事業本部の柳東洋男統括理事のかけ声で頑張ろう三唱。地区推進・広報活動に出発した。