出現、昨シーズン2・28倍

奄美大島で来遊のピークを迎えたザトウクジラ=興克樹会長提供写真=

奄美大島ザトウクジラ一斉調査

 奄美クジラ・イルカ協会(興克樹会長)は5日、「奄美大島周辺海域ザトウクジラ一斉調査」を実施した。この日は協会に加盟しているウォッチング船5隻で14群23頭のザトウクジラを確認。今シーズンの出現頭数は123群212頭(5日現在)で、昨シーズン同時期の2・28倍という。

 同会では2013年に設立後、奄美大島周辺海域に繁殖のために冬季に来遊するザトウクジラや周辺海域に生息するミナミバンドウイルカの地域個体群の出現・個体識別調査をしている。同調査は「環境省奄美大島周辺海域における鯨類調査」の一環で行われた。

 この日の調査は南風が強く、限られた海域での調査となったものの、笠利崎~武運崎5群9頭、曽津高崎~江仁屋離周辺5群8頭、小湊~市崎2群3頭、市崎~加計呂麻徳浜1群3頭を確認。奄美市住用町市崎沖で出現した個体は十数回ブリーチングを繰り返していたという。

 奄美大島のザトウクジラ来遊シーズンはピークを迎えている。今シーズンの出現頭数の大幅増加について興会長は、「1月に季節風の島影となる奄美大島の太平洋側でザトウクジラの出現が多くなったことや、繁殖海域である奄美・沖縄海域の海水温が平年より1~2度高いことが影響している可能性がある」としている。

 奄美大島の一斉調査は来月も予定している。