和泊町社協、法人設立40周年式典

設立40周年を記念して笑顔の写真を組み合わせたモザイクアートが披露された=和泊町=

笑顔の写真4千枚でモザイクアート

 【沖永良部】和泊町社会福祉協議会の法人設立40周年記念式典(同実行委員会主催)が5日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。関係者ら約250人が参加。今後の活動の発展を願い社協に関わる3人が体験を発表し、笑顔の写真4000枚で作ったモザイクアートが披露された。

 竿田富夫会長は「子どもから高齢者まで幅広い分野の事業に取り組み、少しずつだが着実に成長している。これまでの経験をもとに地域に信頼され、安心を提供できる社協を目指したい」とあいさつ。県沖永良部事務所の川﨑修所長が社会福祉功労者の5人に表彰状を贈り、竿田会長と長田榮利副会長がモザイクアートの幕を外した。

 式典では、町内在住の3人が社協と関わる中で感じたことなどを発表。登壇した元社協職員の上原英二さんは「若者が住みたい地域づくりを考えた場合、若者が参加し意見を述べ、実践していく環境が必要だ。社協が進める近隣福祉ネットワークなどにも若者の参加を促してはどうか」と提案。「あゆみの歩み」と題して発表した和千亜紀さんは、ダウン症を持つ子どもと社協との関わりから「どんな子どもでも平等で安心して学べる福祉や環境、その子に合った療育はとても大事。障がいを持っている人や家族は、行政に声を届けることを躊躇してしまう。この島には、私以外にも多くの親が子どもの成長で悩んでいる。障がいがあっても安心して働き、自立が出来る町になって欲しい」と訴えた。社協活動にボランティアとして参加している前田由莉子さんは「利用者や同じ活動をする仲間、関係者との出会いは、私の活力であり生きがいになっている。積極的に活動に参加していきたい」と語った。

 車イスのシンガーソングライター、森圭一郎さんが「夢の力」をテーマに講演。アメリカ横断ツアーや徳之島をハンドサイクルで一周した経験を紹介し「大変なことも多いが、歩いていた時よりも今の方が幸せ。歌手になろうと必死で努力したから今がある。あきらめない心は全員が平等に持っている」と話した。また、自分の生まれた島で暮らしてほしいという願いを込めた「ひまわり」など数曲を歌い上げた。

 モザイクアートは、社協職員や施設利用者ら429人分の笑顔の写真約4000枚を組み合わせて作ったもので、花が咲き誇る笠石海浜公園が描かれている。除幕後、作品は会場入り口に飾られ、自分の写真を探す人でにぎわった。

 被表彰者は次の通り。(敬称略)
 【社会福祉功労者】盛泰夫、冝喜廣子、赤理里枝、村山ツタ子、宮村照美