加計呂麻交流館 観光、情報の拠点施設を

加計呂麻島展示・体験交流館とせとうち海の駅の在り方について、提言書を手渡した大江委員長=写真右

新年度にもリニューアルへ
あり方検討委 瀬戸内町へ提言書

 「加計呂麻島展示・体験交流館等のあり方検討委員会」(委員長・大江英夫九州産業大学商学部特任教授、委員9人)は8日、瀬戸内町の同交流館、せとうち海の駅の両施設に関する委員会の検討結果について、鎌田愛人町長へ提言書として手渡した。提言書では、地元住民や観光客が楽しみ、集う観光や情報の拠点施設として利活用されるよう期待を寄せており、町当局は新年度以降リニューアルを進める方針を示した。

 同交流館は「展示スペースの有効活用」や「飲食物などの販売」の問題提起に加え、海の駅は「施設全体に空きスペースが多い」などの課題があることから、両施設の機能向上や他施設との連携したサービス、情報発信、文化の拠点づくりを目指すことなどを目的に委員会を昨年8月に設立。施設の利用実態や使用者の声を参考に、4回の会合で基本的な方向性を検討してまとめた。

 見直しの提案のうち、同交流館関連では、▽飲食提供できる場所の整備▽展示室における「諸鈍集落と諸鈍シバヤ」「加計呂麻島のすべて」の整備▽案内機能の拡充―など。海の駅関連は、①観光案内所と乗船券売り場の機能集約し、「オープンカウンター」「オフィス」の配置②2階にあるうみカフェ、大島紬実演コーナーの1階への移設―などを挙げている。

 見直し効果として、地元住民と観光客との交流機会増や施設利用における混乱の解消などが期待される一方、運営面ではソフト面の充実の必要性も指摘。地元ガイドなどの人材育成や管内展示物の整理整頓などの徹底も要望している。

 大江委員長は「地元の生活を見たり触れたりすることは、観光の大事な要素。親しみがあり行きたくなる施設となり、人が集まることで地域活性化につながれば」と期待を寄せ、鎌田町長は「両施設の機能向上、集客性のある施設となるよう、提言書を生かしてリニューアル、運営方法を含めて検討する中で実現していきたい」と話した。

 町当局によると、同交流館のかけろまカフェ、観光展示ゾーンについては県事業を活用して2017年度から、海の駅は18年度からそれぞれ2カ年度程度で整備する方針。また、かけろまカフェの整備と並行して、住民を交え運営にかかる協議会を発足させるとしている。